子宮の教科書 第百十八話
Q29 子宮ガンって何種類あるの?
A 子宮のガンは2種類あります。 入口にできる「子宮頸ガン」と、奥にできる「子宮体ガン」です。
子宮はナスのような形をしています。その出口のところにできる「子宮頸ガン」と、本体にできる「子宮体ガン」とがあり、これらは組織もまったく違いますし、性質も異なります。
よく耳にする「子宮ガン健診」「子宮ガンワクチン」とは、子宮頸ガンに対する健診とワクチンになります。
2種類のガンの性質が異なるにもかかわらず、区役所やマスコミが、曖昧に書いてしまっているので、混乱をまねいているのでしょう。よく区の申請書などにも「子宮ガン検診」とだけ書かれていることがあります。
この間違いが問題になるのは、体ガンと頸ガンでは、ガンになる人の率に差があるからです。
子宮頚ガンは、最近若年化していて問題になっていますが、体ガンは、ほかのガンと一緒で、どちらかというと年齢的な問題でかかりやすいものです。
40代後半から増加し、50~60代にピークを迎え、その後減少します。乳ガンや大腸ガンなど、腺組織があるものと同じ種類のガンです。かかる率は、子宮頸ガンと比べると低いです。
体ガンにかかるリスクの高い方は、子どもを産んだことがない、肥満、閉経年齢が遅い、糖尿病や乳ガン、大腸ガンになった方になった方が家族にいるなどです。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)