ミニピル・スリンダ錠
広尾レディースでは、エストロゲンを含まない経口避妊薬(ミニピル)「スリンダ錠」の処方を開始しました。
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エストロゲンを含まない新しい経口避妊薬
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血栓症リスクが不安な方や、授乳中・40代以降の方も安心して検討できる
ミニピル・スリンダ錠とは?
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血栓症リスクが不安な方や、授乳中・40代以降の方も
安心して検討できる国内初の「次世代ミニピル」です。
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従来の低用量ピルは高い避妊効果がある一方で、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が含まれているため、体質や年齢、生活習慣によっては服用が難しいケースがありました。
スリンダ錠は、黄体ホルモン(ドロスピレノン)のみを主成分とする日本で初めて承認されたミニピルです。これまでピルを諦めていた方や、より安全性の高い方法を求めている方にとって、新しいスタンダードとなるお薬です。
スリンダ錠(ミニピル)の3つの大きな特徴
1. エストロゲンを含まない「プロゲスチン単剤」
最大の特徴は、エストロゲンを一切含まない点にあります。エストロゲンは血管に影響を与え、血栓症(血液が固まる病気)のリスクをわずかに高めますが、スリンダ錠はその心配が極めて低いとされています。そのため、以下のような方でも服用を検討いただけます。
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血栓症のリスクを考慮する必要がある方
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35歳以上で1日15本以上喫煙される方(従来のピルでは禁忌とされる対象)
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授乳中の方(産後6週間以降から服用可能)
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40代以降の方
2. 従来のピルと同等の高い避妊効果
「ホルモンが1種類だと効果が弱いのでは?」と心配されるかもしれませんが、スリンダ錠は非常に高い避妊成功率を誇ります。
【医学的データ:パール指数】
避妊効果を示す指標「パール指数(100人の女性が1年間使用して妊娠する割合)」において、スリンダ錠は国内第III相臨床試験で「0.39」という極めて低い数値を記録しています。これは、適切に服用すれば従来の低用量ピル(0.3~0.9程度)と同等、あるいはそれ以上の効果があることを示しています。
3. 飲み忘れに対する「24時間の許容範囲」
従来のミニピルは、内服時間が3時間以上ずれると避妊効果が低下するという弱点がありました。しかし、スリンダ錠は「24時間以内」であれば、飲み遅れても避妊効果が維持されやすいというデータがあり、生活リズムが不規則な方でも使いやすい設計になっています。
このような方におすすめ
●低用量ピルで副作用が出やすかった方
吐き気、頭痛、むくみなどの症状はエストロゲンが原因であることが多いため、スリンダ錠への切り替えで改善する場合があります。
●安全性にこだわりたい方
将来的な血栓症リスクを最小限に抑えたい方におすすめです。
●授乳中の避妊を検討している方
母乳への影響を考慮しながら、確実な避妊を行いたい時期に最適です。
●PMSや生理痛を緩和したい方
副次的な効果として、月経困難症やPMS(月経前症候群)の症状緩和も期待できます。
※症状の改善には個人差があります。
錠剤の構成と正しい飲み方
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スリンダ錠は、飲み忘れを防ぐために
「28日間休まずに飲む」サイクルになっています。
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1シートの内訳(24+4)
有効成分が含まれた白い錠剤(実薬)が24錠、成分が含まれていない緑色の錠剤(偽薬)が4錠で構成されています。
内服のタイミング
毎日決まった時間帯に1錠ずつ順番に服用します。28錠すべて飲み終えたら、休薬期間を置かずに翌日から新しいシートを開始してください。
偽薬の役割
偽薬を飲んでいる4日間に、消退出血(生理のような出血)が起こるのが一般的です。
知っておきたい副作用「不正出血」について
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スリンダ錠において、最も理解しておいていただきたいのが「不正出血」です。
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発現率:国内の臨床試験において、1年間の服用中に一度でも不正出血を経験した方の割合は89.6%と報告されています。
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経過:服用開始直後の数ヶ月間は出血が不規則に起こりやすいですが、継続して服用することで出血の頻度や日数は徐々に減少していく傾向にあります。
出血があっても避妊効果には影響ありませんので、そのまま服用を続けていただけますが、出血量があまりに多い場合や不安な時はいつでも医師にご相談ください。
比較/スリンダ錠(ミニピル) と低用量ピル
費用
スリンダ錠 1シート(28日分) 3,300円(税込)
※上記の金額には、診察料・お薬代がすべて含まれています。
※自費診療となります。
※処方にあたっては、医師が現在の健康状態や既往歴を確認し、安全に使用できるかを判断します。
よくある質問
Q1. 服用中に不正出血が続いても大丈夫ですか?
スリンダ錠では、服用開始から数か月間、不正出血(少量の出血やダラダラ続く出血)が起こりやすいことが分かっています。多くの場合、服用を継続することで徐々に落ち着いていきます。出血があっても避妊効果は低下しませんが、出血量が多い場合や長期間続く場合は受診してください。
Q2. 授乳中でも本当に服用できますか?
はい。スリンダ錠はエストロゲンを含まないため、産後6週以降であれば授乳中の方も服用可能とされています。母乳への影響が少なく、授乳期の避妊方法として選ばれることが多いお薬です 。
Q3. 今飲んでいる低用量ピルから切り替えはできますか?
可能です。現在服用中の低用量ピルの種類や服用状況により、切り替えのタイミングが異なります。避妊効果を保つためにも、自己判断で切り替えず、必ず医師にご相談ください。
Q4. 飲み忘れてしまった場合はどうすればいいですか?
スリンダ錠は、24時間以内の飲み遅れであれば避妊効果が保たれやすいとされています。気づいた時点で1錠服用し、その後は通常通り服用を続けてください。24時間以上経過した場合は、念のため医師へご相談ください。
Q5. ミニピルは誰でも処方してもらえますか?
多くの方が使用可能ですが、持病や服用中のお薬によっては注意が必要な場合があります。当院では、診察時に既往歴や体調を確認したうえで、安全に使用できるか判断しています。

作成者:宗田 聡(広尾レディース 院長)
監修者:宗田 聡(広尾レディース 院長)
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茨城県立医療大学 客員教授
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東京慈恵会医科大学 産婦人科学 非常勤講師
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筑波大学大学院 非常勤講師
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東京都立大学 健康福祉学部 看護学科 非常勤講師
資格
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医学博士
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日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
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日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・指導医
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日本医師会認定産業医
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アメリカ人類遺伝学会(ACMG)上級会員(Fellow)
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FMF(Fetal Medicine Foundation)認定妊娠初期超音波検査者

