ジエノゲスト
生理痛や子宮内膜症によるつらい症状に
ジエノゲストは、子宮内膜症や月経困難症(生理痛)、子宮腺筋症に伴う痛みの治療に用いられる黄体ホルモン製剤です。0.5mg錠は月経困難症、1mg錠は子宮内膜症および子宮腺筋症に伴う疼痛に用いられます。女性ホルモンの働きを調整し、卵巣機能や子宮内膜細胞の増殖を抑えることで、生理痛や骨盤痛などの症状の改善が期待できます。
月経困難症や子宮内膜症などの治療では「低用量ピル(LEP)」も広く用いられていますが、血栓症のリスクなどにより、エストロゲンを含むLEPが使用しにくい方もいらっしゃいます。そのような方には、ジエノゲストが治療の選択肢となります。生理痛や子宮内膜症によるお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

このようなお悩みはありませんか?
●生理痛がつらく、鎮痛剤が手放せない
●生理のたびに仕事や学校、家事に支障が出る
●子宮内膜症と診断された
●生理以外の時期にも下腹部痛や腰痛がある
●生理の回数や経血量を減らしたい
●低用量ピルが体質的に合わなかった
●血栓症のリスクなどから低用量ピルを服用できない
●40代以降の治療について相談したい
●将来の妊娠も考えながら治療したい
ジエノゲストとは
ジエノゲストは、月経痛の改善や、子宮内膜症・子宮腺筋症に伴う痛みの改善に用いられるホルモン剤(保険適用)です。
なお、月経困難症には0.5mg錠、子宮内膜症・子宮腺筋症に伴う疼痛には1mg錠が承認されています。
ジエノゲストは、月経周期に関わる女性ホルモンのひとつである「黄体ホルモン」と同じような働きをするお薬です。卵巣機能を抑えてエストロゲン分泌を低下させるとともに、子宮内膜に作用して子 宮内膜細胞の増殖を抑えます。
これらの作用により、月経痛や、月経時以外の痛み(下腹部痛、腰痛、性交痛、排便痛など)の改善が期待できます。
ジエノゲスト(ディナゲスト®)と低用量ピル(LEP・OC)の違い
ジエノゲストと低用量ピルは、いずれも婦人科領域で用いられるホルモン剤ですが、目的や適応は同じではありません。日本では、月経困難症などの治療目的で用いる配合剤をLEP、避妊目的で用いる低用量経口避妊薬をOCと区別します。症状や年齢、ライフスタイル、避妊の必要性など によって適したお薬は異なります。当院では、お一人おひとりの症状やご希望に合わせて治療をご提案いたします。
ジエノゲスト(ディナゲスト®) | 低用量ピル(LEP・OC) | |
主な成分 | プロゲスチン(黄体ホルモン作用をもつ成分)のみ | エストロゲン+プロゲスチン |
主な目的 | 0.5mg:月経困難症 1mg:子宮内膜症、子宮腺筋症に伴う疼痛 | LEP:月経困難症、子宮内膜症に伴う疼痛など(製剤により異なる) OC:避妊 |
生理痛の改善 | ○ | ○ |
子宮内膜症の治療 | ○(1mg) | ○(製剤により適応・使用法が異なる) |
子宮腺筋症の治療 | ○(1mg:疼痛改善) | △(症状改善目的で用いることはあるが、承認適応は製剤により異なる) |
避妊効果 | ×(避妊目的ではない。治療中は避妊が必要) | LEP:× 避妊目的ではない OC:○ |
主な副作用 | 不正出血、低エストロゲン症状など | 血栓症、不正出血、吐き気、頭痛など |
血栓症のリスク | エストロゲンを含まず、LEP・OCより問題になりにくい | あり(頻度はまれだが重篤化することがある) |
服用回数 | 通常1日2回(適応により1回0.5mgまたは1mg) | 通常1日1回 |
保険適用 | ○ | LEPは保険適用、OCは自費診療 |
向いている方 | ・エストロゲン含有製剤を使用しにくい方 ・月経困難症(0.5mg) ・子宮内膜症、子宮腺筋症に伴う疼痛(1mg) | ・月経困難症などの治療を希望する方(LEP) ・避妊を希望する方(OC) ・月経周期の調整を希望する方(製剤により) |
効果の違い
●月経痛・子宮内膜症・子宮腺筋症の治療
ジエノゲストと低用量ピルは、どちらも月経困難症や子宮内膜症に伴う痛みの治療に用いられます。子宮腺筋症では、ジエノゲスト1mgに「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」の承認適応があります。低用量ピルは製剤によって承認されている適応が異なります。
●避妊効果
避妊を目的とする場合は、避妊を適応とする低用量経口避妊薬(OC)を使用します。月経困難症などの治療目的で処方されるLEPは、避妊を目的として処方する薬ではありません。
副作用の違い
●低用量ピル(LEP・OC)の代表的な重い副作用「血栓症」
頻度はまれですが、エストロゲンを含むLEP・OCには静脈血栓塞栓症などの血栓症のリスクがあります。
一方、ジエノゲスト単剤はエストロゲンを含まないため、エストロゲン含有製剤のような血栓症リスクの増加は基本的に問題となりにくいと考えられます。血栓症の既往や前兆を伴う片頭痛、高血圧、喫煙、年齢などでエストロゲン含有製剤を使用しにくい場合には、ジエノゲストによる治療が選択肢の一つとなります。
●ジエノゲストの代表的な副作用「不正出血」
ジエノゲストを服用し始めると、不正出血が起こることがあります。
特に服用開始から数カ月間は起こりやすい副作用ですが、時間の経過とともに出血日数や出血量が減少することがあります。一方で、出血量が多い、長期間続く、強いだるさ・息切れ・動悸など貧血を疑う症状がある場合は、早めにご相談ください。
服用方法の違い
●低用量ピル:1日1回の服用
●ジエノゲスト:通常1日2回(適応により1回0.5mgまたは1mg)
ジエノゲストは通常、1日2回に分けて服用します。月経困難症では1回0.5mg、子宮内膜症・子宮腺筋症に伴う疼痛では1回1mgが承認用量です。一度に2回分を服用せず、処方どおりに分けて服用してください。服用し忘れたときは、気づいたときに1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近いときは1回分を飛ばし、2回分を一度に服用しないようにしてください。
ジエノゲスト(ディナゲスト®)の副作用
不正出血
ジエノゲストは子宮内膜が厚くならないように働きますが、子宮内膜が薄く不安定になることで不正出血が起こりやすくなります。出血量は、少量であったり、月経時と同程度であったりと個人差があります。服用を継続することで不正出血が減少することもありますが、出血量が多い場合や長期間続く場合には、重度の貧血に至ることもあるため医師にご相談ください。症状によっては血液検査や鉄剤の投与、ジエノゲストの中止などを検討します。
低エストロゲン症状・気分の変化
ジエノゲストは卵巣機能を抑え、エストロゲン濃度を低下させることがあり、更年期様症状(ほてり、頭痛、めまい、不眠、気分の落ち込みなど)が現れることがあります。長期間使用する場合には、年齢や骨粗鬆症のリスクなどに応じて、必要に応じ骨密度や血液検査などを確認しながら治療を続けます。
その他
発疹など、ジエノゲストに対する過敏症(アレルギー)が疑われる症状が現れた場合は、医師にご相談ください。
ジエノ ゲスト(ディナゲスト®)が適している方
月経困難症(生理痛)、子宮内膜症、子宮腺筋症に伴う痛みの治療では、低用量ピルが選択肢となることもありますが、血栓症のリスクやその他の医学的理由によりエストロゲン含有製剤を使用しにくい場合には、ジエノゲストによる治療をご提案することがあります。
●つらい生理痛で悩んでいる方
●子宮内膜症と診断された方
●子宮腺筋症による症状がある方
●血栓症のリスクやその他の医学的理由により、エストロゲンを含む低用量ピルを使用しにくい方
●低用量ピルが体質的に合わなかった方
●低用量ピルが体質的に合わなかった
●血栓症のリスクなどから低用量ピルを服用できない
●40代以降の治療について相談したい
●将来の妊娠も考えながら治療したい
※問診や検査の結果、ジエノゲストを処方できない場合がございます。
ジエノゲスト(ディナゲスト®)服用中の避妊について
ジエノゲストを服用中でも、妊娠する可能性があります。
ジエノゲストは避妊を目的としたお薬ではなく、排卵が完全に抑えられるとは限りません。
治 療中に避妊が必要な場合は、コンドームなどの避妊法を用います。
また、コンドームは性感染症の予防にも有効です。
ジエノゲスト(ディナゲスト®)の服用はいつまで?
ジエノゲストには一律の終了時期が決められているわけではありません。妊娠を希望する時期や閉経が考えられる時期などに中止を検討します。長期投与では、不正出血や貧血、骨密度などにも配慮しながら治療を続けます。
妊娠を希望する場合
ジエノゲストの服用を中止すると、多くの場合は1~2カ月程度で月経が再開しますが、再開時期には個人差があります。妊娠を希望される場合は、基礎疾患である子宮内膜症などの状態も含めて妊娠のタイミングをご相談ください。
閉経するまでジエノゲストを服用する場合
日本人女性の閉経年齢は平均50歳前後ですが、個人差があるため、実際にいつ閉経するかを正確に予測することはできません。
また、ジエノゲストなどのホルモン治療中は月経の有無だけでは閉経を判断しにくく、ホルモン値も1回の検査だけで閉経時期を正確に決められるわけではありません。50歳前後になりましたら、年齢、症状、治療目的、骨や出血のリスクなどを総合的に評価し、必要に応じて血液検査も参考にしながら、ジエノゲストの継続・中止時期を個別に検討します。

