性感染症
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自覚症状がない性感染症も多い
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おりものに変化があった時は要注意
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不妊の原因になることも
性感染症とは?
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性感染症とは、性行為によって感染する病気の総称です。
「性病」や「STD」とも呼ばれています。
受診のタイミング
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ほとんどの性感染症は、自覚症状がないまま進行してしまいます。
以下のような症状がある場合や、心配な場合は婦人科を受診しましょう。
受診の目安
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コンドームをせずに性交渉をした
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おりものの量が増えた
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おりものの色が変わった
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おりもののにおいが強い
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デリケートゾーンにかゆみや痛みを感じる
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デリケートゾーンにいぼや水疱ができた
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性交時や排尿時に痛みがある
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下腹部の痛み
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性交渉後、性器から出血する など
性感染症を放置するとどうなりますか?
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ほとんどの性感染症は自然治癒しません。
進行すると不妊の原因となる場合もあるため、早めにお薬で治療しましょう。
性感染症の検査
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疑われる性感染症によって若干の違いはありますが、
おりもの検査や血液検査を行います。
どんな治療をしますか?
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お薬(飲み薬、軟膏、膣に入れる錠剤など)で治療します。
女性が注意したい性感染症
クラミジア感染症
性感染症の中でも、もっとも患者数が多いのがクラミジア感染症です。クラミジア感染症が重症化すると不妊症になる可能性があるため、早期発見・早期治療が重要になります。
●主な症状
自覚症状に気づきにくい病気です。
以下の症状が現れた場合は、ご相談ください。
・不正出血
・おりものが多い
・下腹部の痛み
・性交時に痛みがある
・のどの腫れ・痛み
●検査
おりもの検査をおこないます。
●検査結果
約1週間で分かります。
●治療
抗生剤
淋菌感染症
淋菌感染症が重症化すると不妊症になる可能性があるため、早期発見・早期治療が重要になります。
●主な症状
自覚症状に気づきにくい病気です。
男性には強い症状が現れるので、パートナーが淋病だった場合は検査しましょう。
以下の症状が現れた場合は、ご相談ください。
・おりものが多い
・おりものの異臭
・下腹部の痛み
・性交時に痛みがある
・のどの違和感・腫れ
●検査
おりもの検査をおこないます。
●検査結果
10日前後かかります。(培養検査などは時間がかかることもあります)
●治療
抗生剤
梅毒
梅毒は、近年、急激に感染者数が増加しています。
検査や治療が遅れたり治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。梅毒が胎児に感染してしまうと先天性梅毒になる可能性もあります。
●主な症状
自覚症状に気づきにくい病気です。パートナーが感染した場合は検査しましょう。
以下の症状が現れた場合は、ご相談ください。
・太もも付け根あたりのリンパ節が腫れる
・性器、肛門、唇などに、しこりや腫れができる
・性交渉をして3カ月程度経ってから、手のひら・足の裏・体に赤い発疹ができる
●検査
血液検査をおこないます。
●検査結果
血液検査は結果が出るのに2週間かかります。
●治療
抗生剤
トリコモナス
膣トリコモナス原虫という微生物に感染して発症します。
性行為によって感染することが多いですが、下着・タオル・トイレ・浴室を介した感染などの経路で感染することもあります。パートナーやご家族に感染しないよう、できるだけ早く適切な治療を受けましょう。
放置すると不妊症になる可能性があるため、早期発見・早期治療が重要になります。
●主な症状
症状があまり現れない場合もあります。
また、男性は無症状のことが多いです。
以下の症状が現れた場合は、ご相談ください。
・泡状で悪臭のおりもの
・性器のかゆみ・痛み
●検査
おりもの検査をおこないます。
●検査結果
約1週間で分かります。
●治療
内服薬や膣錠を使用します。
HIV感染症
HIVとは、ヒト免疫不全ウイルスのことで、AIDSの原因となる病原体がHIVです。
AIDSは、体を病気から守っている免疫力を破壊してしまう病気です。
●主な症状
以下の症状が現れた場合は、ご相談ください。
・風邪のような症状
・発熱、のどの痛み、筋肉痛、下痢、リンパ節の腫れ、倦怠感などの症状
●検査
血液検査をおこないます。
HIV感染は、性行為後すぐの検査ではわかりません。可能性がある性行為後、早ければ4週間で陽性が出る場合がありますが、陰性を確実に知るためには3ヶ月以上経過してからの検査が必要です。
●検査結果
約1週間で分かります。
●治療
エイズ拠点病院にご紹介いたします。
適切な治療を受けて、医師の指示を守ってきちんと薬を服用することで、HIVに感染してもAIDSを発症させずに健康を維持できるようになってきています。
性感染症の予防について
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コンドームを正しく使用しましょう。
性感染症を予防するためには、精液、血液が自分の性器などの粘膜に直接触れないようにすることが大切です。感染予防には、コンドームを正しくつかうことが有効です。
低用量ピルを服用している場合でも、性感染症予防の観点からコンドームを使用するようにしましょう。