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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

妊婦健診クリニックの選び方とは?施設タイプの違いと確認すべき視点

  • 17 時間前
  • 読了時間: 7分

妊娠判定を受けた直後、多くの方が最初に直面するのが「妊娠がわかったけれど、どの医療機関で妊婦健診を受ければいいのか」と悩むことです。妊婦健診はおよそ10か月にわたって定期的に通うことになるため、施設選びは妊娠生活全体の快適さと安全を左右する重要な決断になります。


妊婦健診を受けられる施設には、総合病院、産科・産婦人科クリニック、助産院などいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴があります。さらに「妊婦健診を受ける施設」と「出産する施設」を分けるという選択肢もあるため、選び方は多様化しています。


この記事では、妊婦健診のクリニック選びで迷わないために、施設タイプごとの違いから確認すべき視点までを整理して解説していきます。あわせて、妊娠初期に検討しておきたい出生前診断のタイミングについても触れていきましょう。


妊婦健診を受けられる4つの施設タイプ

広尾レディース 妊婦健診を受けられる4つの施設タイプ

妊婦健診をどこで受けるかを考える前に、まずはどのような施設があるのかを把握しておきましょう。施設タイプによって、設備や対応できる範囲、雰囲気が大きく異なります。


総合病院・大学病院

複数の診療科を備えた大規模な医療機関です。NICUやMFICUなどを備える周産期母子医療センターでは、ハイリスク妊娠や高度な新生児医療に対応できる体制が整えられています。一方で、健診のたびに待ち時間が長くなりやすく、担当医が毎回変わることもあるため、きめ細やかな対応を求める方には物足りなく感じられる場合もあります。


産科・産婦人科クリニック

地域に根ざした中小規模の医療機関で、妊婦健診を受ける施設として選ばれることが多いタイプです。予約方法、待ち時間、担当医制は施設ごとに異なります。通いやすさや継続性を重視する場合は、初診前に確認しましょう。アクセスの良い立地にある施設が多く、通院の負担を抑えやすい点も魅力です。分娩を扱わず健診のみを行うクリニックもあるため、出産施設との連携体制を確認しておくことが大切でしょう。


助産院

助産院は、助産師が妊娠・分娩・産後を支える施設です。原則として、医療介入の必要性が低いローリスク妊娠が対象です。アットホームな雰囲気の中で手厚いケアを受けられますが、医師が常駐していないため、日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の「産婦人科診療ガイドライン 産科編」に基づき、妊娠経過が順調なローリスクの妊婦のみが対象となります。医療行為が必要になった場合は、連携する嘱託医療機関へ搬送される仕組みが整えられています。


周産期母子医療センター

厚生労働省の「周産期医療体制整備指針」に基づき地域の周産期医療の中核を担う施設で、母体・胎児集中治療室(MFICU)やNICUを備えています。早産のリスクが高い方や、胎児に治療が必要と判明した場合など、高度な医療が求められるケースで重要な役割を果たします。


妊婦健診と出産を分ける「セミオープンシステム」

広尾レディース 妊婦健診と出産を分ける「セミオープンシステム」

ここで知っておきたいのが、妊婦健診を受ける施設と出産する施設を必ずしも同じにする必要はないという点です。では、どのような選択肢があるのでしょうか。


セミオープンシステムとは、妊娠経過が順調な時期の健診を通いやすい近所のクリニックで受け、出産は設備の整った連携先の大きな病院で行うという仕組みのことです。厚生労働省も地域の医療資源の有効活用と安全確保の観点から地域連携を推進しており、「健診は利便性、分娩は安全性」という両者のメリットを活かせる方法として近年広がっています。


このシステムの利点は、日常的な健診の通院負担を抑えながら、いざというときには高度な医療体制のもとで安心して出産できる点にあるでしょう。仕事を続けながら妊娠生活を送る方や、近くに大きな病院がない方にとって、有力な選択肢となります。一方で、健診を受ける施設と出産する施設の間で情報共有が必要になるため、両者がしっかり連携しているかどうかを事前に確認しておくことが欠かせません。


里帰り出産を予定している方も、出産までの健診を居住地近くのクリニックで受け、出産時に実家近くの施設へ移るという形になるため、施設間の連携という観点は同様に重要でしょう。


妊婦健診のクリニック選びで確認すべき視点

広尾レディース 妊婦健診のクリニック選びで確認すべき視点

施設タイプを理解したうえで、実際にクリニックを選ぶ際に確認しておきたい視点を整理していきます。優先順位は人によって異なるため、自分にとって何が大切かを考えながら読み進めてみてください。


自宅や職場からの距離とアクセス

妊婦健診は妊娠が進むにつれて頻度が増え、後期には1〜2週間に1回のペースで通うことになります。つわりの時期や大きなおなかでの移動を考えると、通いやすさは想像以上に重要な要素でしょう。電車での通いやすさ、駐車場の有無、徒歩での所要時間などを具体的にイメージしておくと、後悔の少ない選択につながります。


医師・スタッフの体制と相性

長期間にわたって通う場所であるため、医師やスタッフとの相性も見過ごせません。同じ医師が継続して診てくれるのか、女性医師が在籍しているのか、助産師による相談体制があるのかといった点は、安心感に直結するでしょう。初診の際に院内の雰囲気やスタッフの対応を観察しておくと、自分に合うかどうかの判断材料になります。


検査・設備の充実度

妊婦健診では超音波検査をはじめ、さまざまな検査が行われます。3D・4Dエコーに対応しているか、出生前診断を院内で受けられるかといった点は、施設によって差があるでしょう。特に出生前診断を検討している場合は、対応の有無を早めに確認しておくことをおすすめします。


費用と補助券の取り扱い

妊婦健診には住民票のある自治体から助成券(補助券)が交付されますが、健診費用が補助券の範囲を超える場合は自己負担が発生します。施設によって費用設定が異なるため、初診時に費用の目安を確認しておくことを推奨します。なお、補助券は里帰り先など自治体外の施設では使えないことがあり、その場合は後日申請による払い戻しとなる点にも留意が必要です。


妊娠初期だからこそ検討したい出生前診断のタイミング

クリニック選びと並行して、妊娠初期のうちに考えておきたいのが出生前診断についてです。なぜ早い段階で検討すべきなのでしょうか。


出生前診断にはいくつかの種類があり、それぞれ受けられる時期が決まっています。米国産婦人科学会(ACOG)のガイドラインでは、すべての妊婦に対して出生前検査の選択肢について情報提供することが推奨されており、世界的にも早期の検討が重視されています。なかでもNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)は、日本医学会の「NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設認証に関する指針」において妊娠10週以降から受けられるとされており、受検を希望する場合は妊娠初期のうちに情報を集め、施設を決めておく必要があります。


特にNIPTは、陽性だった場合に確定診断のための羊水検査を受ける時間的な余裕を確保するため、受検時期の見極めが重要になります。


妊婦健診のクリニック選びは広尾レディースへ

妊婦健診のクリニック選びでお悩みの方は、広尾レディース〜恵比寿本院〜にご相談ください。当院はJR・東京メトロ「恵比寿駅」東口より徒歩2分という通いやすい立地で、妊娠判定から妊婦健診まで対応しております。


3D・4Dエコー検査による胎児の観察にも対応しており、おなかの赤ちゃんの様子を確認しながら妊娠生活を見守ることが可能です。また当院は出生前検査認証制度等運営委員会(日本医学会)にNIPT実施医療機関(連携施設)として認定されており、妊婦健診と並行して出生前診断についてのご相談も承っております。


院長の宗田聡は、日本専門医機構認定産婦人科専門医および日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・指導医の資格を持ち、長年にわたり胎児診断・出生前診断の診療・教育・研究に従事してきました。米国ではNIPTの世界的第一人者であるビアンキ教授(米国NICHD所長)の研究室で基礎研究を学び、帰国後は母校筑波大学スタッフとして胎児診断・胎児治療の現場経験を積んだ、この分野のスペシャリストです。現在は日本産婦人科医会先天異常委員会委員長も務めています。


妊婦健診から出生前診断まで一貫してご相談いただける体制を整えておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。完全予約制で、24時間インターネット予約に対応しております。土曜日の午前中にも受け付けております。


<参考資料> 

 こども家庭庁「妊婦健診に関する取組み」


厚生労働省告示「妊婦に対する健康診査についての望ましい基準」

 

厚生労働省「周産期医療の体制構築に係る指針」

 

東京都保健医療局「周産期医療とは」


日本助産師会「助産業務ガイドライン2024」

 

日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは」

 

ACOG Practice Bulletin No. 226: Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. Obstet

Gynecol. 2020;136:e48-e69.

 
 
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