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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

「子宮頸がん検診」で再検査と言われたら

  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

仕事と両立しながら受ける精密検査ガイド

― 正しい知識で、落ち着いて次のステップへ進むために ―

はじめに

子宮頸がん検診の結果で「要再検査」「精密検査が必要」という通知が届くと、たとえ自覚症状がなくても、不安な気持ちになる方は少なくありません。


特に、都内で働く共働き世代の女性にとっては、

「仕事を何度も休まなければならないのでは?」

「将来の妊娠に影響はないのだろうか?」

といった、キャリアやライフプランへの心配も重なりやすいでしょう。


本記事では、産婦人科専門医の立場から、再検査の具体的な流れや通院スケジュール、そして仕事と両立するための工夫について、分かりやすく解説します。

正しい知識を持つことで、過度に不安になることなく、ご自身にとって最善の選択を考えていきましょう。


1.なぜ「再検査」が必要なのでしょうか

子宮頸がん検診の一次検査(細胞診)は、がんを見つけることだけを目的とした検査ではありません。

「がんではない可能性が高いものの、念のため詳しく調べたほうがよい変化」を拾い上げるためのスクリーニング検査です。


  • 再検査になる割合

    実際に検診を受けた女性のうち、**約2.1%(およそ50人に1人)**が「要精密検査」と判定されています(2018年度 市区町村実施がん検診データ)。


  • 再検査=がん、ではありません

    再検査となったからといって、すぐに「がん」と診断されるわけではありません。

    多くの場合、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染による一時的な細胞の変化であると報告されています。


【知っておきたいHPV(ヒトパピローマウイルス)のこと】

  • 非常に身近なウイルス

    性交渉の経験がある女性の**50〜80%**が、生涯で一度は感染するとされています。


  • 自然に排除されることが多い

    多くの場合、1〜2年以内に免疫の働きによって自然に消失します。


  • 進行には長い時間がかかる

    一部の持続感染例では、5〜10年以上かけて前がん病変からがんへ進行することがあります。


2.精密検査では何をするのでしょうか

精密検査では、状態に応じて次のような検査を段階的に行います。


  • 細胞診の再確認

    前回の結果を専門医が再評価します。


  • HPV検査

    がん化リスクの高い型のHPV感染の有無を調べます。


  • コルポスコピー検査

    拡大鏡で子宮頸部を詳しく観察します。


  • 組織診(生検)

    異常が疑われる部位の組織を数ミリ単位で採取し、顕微鏡で調べます。


【ポイント】

「軽度異形成(CIN1)」と診断された場合、その多くは自然に消失します。

そのため、すぐに治療を行うのではなく、数か月ごとの定期的な経過観察となるのが一般的です。


3.仕事と両立するための通院スケジュール

精密検査は一度で終了するとは限りませんが、一般的には次のような流れになります。


初回精密検査 → 結果説明(約2週間後) → 3〜6か月ごとの経過観察


検査自体は10〜20分程度で終わることが多く、

平日夜間診療や土曜診療を行っている医療機関を利用したり、半日休暇を活用したりすることで、無理なく通院される方も増えています。


ご自身の生活リズムに合った医療機関を選ぶことが、継続的なフォローアップのポイントです。


4.もし治療が必要になった場合

検査の結果、**中等度異形成(CIN2)や高度異形成(CIN3)**と診断された場合には、

病変を取り除く「円錐切除術」などの治療が検討されます。


ただし、年齢や将来の妊娠希望によっては、CIN2であっても慎重に経過観察を選択できる場合があります。


子宮頸がんは、前がん病変の段階で発見し、適切に対応すれば、

5年生存率は90%以上と報告されている、予後のよいがんの一つです。


5.予防のために意識したい生活習慣

ウイルスを排除しやすい体内環境を整えることも大切です。


  • 禁煙

    喫煙は異形成の進行リスクを高めることが分かっています。

  • 質の良い睡眠と食事

    免疫機能の維持に重要です。

    葉酸、ビタミンA・C・Eを意識して摂取するとよいとされています。

  • ストレス管理

    過度なストレスは免疫低下につながります。

  • 2年に1回の定期検診

    今回「異常なし」に戻っても、継続的な受診が推奨されます。


6.次の症状がある場合は早めに受診を

検診結果にかかわらず、次のような症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。


  • 不正出血(月経以外の出血)が続く

  • 性交時の痛みや出血がある

  • 下腹部痛が持続する


まとめ

子宮頸がん検診の再検査は、決して「怖い検査」ではなく、

将来のがんを防ぐための大切なステップです。


仕事を頑張るご自身の体を後回しにせず、

信頼できる医療機関で相談しながら、無理のない形でケアを続けていきましょう。


正しい知識が、不安を「行動」に変えてくれます。

 
 
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