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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

NIPT遺伝カウンセリングはどんなことをする?認証施設の選び方と検査の流れ

  • 10 時間前
  • 読了時間: 11分

NIPTを受けようと決めたものの、「遺伝カウンセリングって何をするのだろう」「東京にはたくさんの施設があるけれど、どこを選べばいいのか」という不安を抱えている方は少なくありません


NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)は採血だけで胎児の染色体異常の可能性を精度高く調べるスクリーニング検査ですが、その結果はご夫婦の人生に関わる重大な情報を含んでいます。だからこそ、検査の前後に行われる遺伝カウンセリングの質が、NIPTの体験全体を左右するといっても過言ではありません。(※NIPTは確定診断ではなく、必要に応じて羊水検査などで確定診断を行います)。


東京には2024年10月時点で全国562施設のうち多くのNIPT認証施設が集中しており、選択肢が豊富な反面、「何を基準に選べばよいかわからない」という声も少なくありません。この記事では、遺伝カウンセリングの具体的な内容と、東京で施設を選ぶ際に確認すべきポイントを、臨床現場の視点からできるだけ分かりやすく解説していきます。


NIPTにおける遺伝カウンセリングの役割


遺伝カウンセリングとは、遺伝に関する正確な医学情報を専門家から受け取り、検査を受けるかどうか、また結果をどう受け止めるかについて、ご自身で納得のいく判断ができるよう支援する場のことです。NIPTにおいては、日本医学会が認証施設での実施を必須としている重要なプロセスです。


では、なぜNIPTに遺伝カウンセリングが必要なのでしょうか。理由は明確で、NIPTが「確定検査」ではなく「スクリーニング検査」だからです。


NIPTはダウン症候群(21トリソミー)の検出率が99.1%と非常に高いものの、陽性と判定されても実際にはトリソミーではない「偽陽性」の可能性があります。35歳の妊婦さんが21トリソミー陽性と判定された場合でも、偽陽性の割合は約20%にのぼるとされている点は見落とされがちでしょう。こうした数字の意味を正しく理解するためには、採血の前に専門家からの説明を受けておくことが不可欠なわけです。


遺伝カウンセリングで扱われる内容

NIPTの遺伝カウンセリングでは、一般的に以下のような内容について説明と対話が行われます。


まず、「そもそもなぜ検査を受けようと思ったのか」という動機の確認です。高齢出産への不安、前回の妊娠での経験、超音波検査での所見など、受検を考えるきっかけは人それぞれであり、カウンセリングではその背景を丁寧にヒアリングするところから始まります。


次に、NIPTで何がわかり、何がわからないかの説明をします。NIPTが対象とするのは21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つの染色体異常であり、それ以外の先天性疾患は検査対象外である点を明確に伝えることが重要です。


そして、結果が陽性だった場合にどのような選択肢があるかについての情報提供をします。確定診断のための羊水検査に進むか、検査を受けずに経過を見るか、あるいは結果を受けてどのように判断するかといった問いに対して、ご夫婦が主体的に考えるための土台をつくるのがカウンセリングの核心的な役割といえるでしょう。


カウンセリングは「説得」ではなく「支援」

ここで強調しておきたいのは、遺伝カウンセリングは検査を勧める場でも、特定の判断に誘導する場でもないということです。日本産科婦人科学会のNIPTに関する指針でも、カウンセリングの目的は「情報提供だけでなく、患者の自律的選択が可能となるような心理的社会的支援」と明記されています。


つまり、「検査を受ける」「受けない」のどちらの判断も等しく尊重されるべきものです。カウンセリングの質が高い施設ほど、この原則を徹底している傾向が見られます。


認証施設と非認証施設のカウンセリングの違い


東京でNIPTの施設を探すと、「認証施設」と「非認証施設」の2種類があることに気づくはずです。両者の最大の違いは、遺伝カウンセリングの体制にあるといっても言い過ぎではないでしょう。


認証施設のカウンセリング体制

認証施設では、臨床遺伝専門医もしくは日本産科婦人科遺伝診療学会の認定を受けた医師が在籍し、基準を満たした遺伝カウンセリングの実施が義務づけられています。検査の前後に対面で説明が行われ、結果の解釈から今後の選択肢まで一貫したサポートが受けられる体制が整っているのが特徴です。


厚生労働科学研究費の受検者調査によると、認証施設では結果開示時に対面での説明が74%を占めたのに対し、非認証施設では郵送・FAX・メール等が95%にのぼりました。また、「説明がなかった」と回答した割合は認証施設10%に対し、非認証施設では84%。この数字の差が物語るのは、単に「説明があるかないか」だけでなく、結果を受け取った後の精神的な支えの有無でしょう。


非認証施設のカウンセリング体制

非認証施設でも医師による検査は行われますが、臨床遺伝専門医が在籍していないケースや、カウンセリングが省略・簡略化されているケースが見受けられるのが実態です。検査費用が抑えられる反面、陽性判定が出た際に適切な説明やフォローを受けられず、認証施設に改めて相談に行くという事例も報告されています。


NIPTの結果は97.8%が陰性となるため、多くの方にとってカウンセリングの差は顕在化しないかもしれません。しかし、残り約1.8%の方にとっては、その瞬間のサポート体制がすべてを左右することになるでしょう。「万が一」に備えた施設選びという観点は、費用や利便性と同等以上に重視されるべきではないでしょうか。


NIPT遺伝カウンセリングを受ける施設を選ぶポイント


東京にはNIPT認証施設が多数存在しますが、同じ認証施設でもカウンセリングの体制には差があります。ここでは、施設選びの際に確認しておきたい具体的なポイントを見ていきましょう。


臨床遺伝専門医が対応するかどうか

認証施設の中でも、臨床遺伝専門医が直接カウンセリングを担当する施設と、出生前検査に関する研修を修了した産婦人科医が対応する施設とがあります。臨床遺伝専門医は、遺伝医学に関する高度な専門知識を有し、日本人類遺伝学会から認定を受けた医師です。出生前診断に限らず遺伝性疾患全般に精通しているため、より専門的な相談にも対応可能です。


NIPTの結果解釈には遺伝学の深い知識が求められる場面があるため、可能であれば臨床遺伝専門医が在籍する施設を選ぶことが望ましいでしょう。


陽性時に確定検査まで一貫して対応できるか

NIPTで陽性と判定された場合、確定診断のために羊水検査が必要になるケースがあります。カウンセリングから採血、結果説明、そして必要に応じた羊水検査まで、同じ施設で一貫して対応できるかどうかは、精神的な負担を大きく左右するポイントとなるでしょう。


NIPTのみを提供する施設では羊水検査に対応できないことが多く、陽性判定後に別の施設を探す手間が生じる可能性があります。限られた妊娠週数の中で新たな施設を探し、予約を取り、一からカウンセリングを受け直すという過程は、想像以上に負担が大きいものです。「もしものとき」まで見据えた施設選びが、結果的に安心感の差となって表れるでしょう。


基幹施設との連携体制

認証施設には「基幹施設」と「連携施設」の2種類があり、連携施設は基幹施設(大学病院など)と協力してNIPTを提供する体制をとっています。連携施設を選ぶ際は、どの基幹施設と提携しているかを確認しておくと安心でしょう。


基幹施設には産婦人科専門医と小児科専門医が常勤しており、陽性判定後のより高度な対応やフォローが可能。連携施設の「通いやすさ」と基幹施設の「専門性」を組み合わせて活用できるのが、認証制度の大きなメリットといえます。


超音波検査との組み合わせが可能か

NIPTは3つの染色体トリソミーを対象とした検査であり、それ以外の構造的な異常は検出の対象外です。出生前検査認証制度等運営委員会でも、NIPTだけでは把握できない胎児の状態があることが説明されています。


一部の認証施設では、NIPTに加えてFMF認定資格者による初期精密超音波検査を提供しており、NIPTの対象外となる形態的な異常もあわせて評価できる体制が整えられています。費用は追加で発生するものの、より包括的に胎児の状態を把握したい方にとっては有力な選択肢となるでしょう。


遺伝カウンセリングを受ける前に準備しておきたいこと


遺伝カウンセリングの時間は30〜60分程度が一般的で、決して長くはありません。限られた時間を有意義に使うためには、事前の準備が鍵を握るでしょう。


パートナーとの話し合い

カウンセリングの前に、パートナーと「検査を受ける理由」「陽性だった場合にどうするか」について話し合っておくことが推奨されています。厚生労働省のNIPT等出生前検査に関する専門委員会の報告書でも、妊婦だけでなくパートナーを含めた意思決定の重要性が繰り返し指摘されていました。


結論を出す必要はありません。「まだ決められない」という状態でカウンセリングに臨んでも問題なく、むしろ専門家との対話を通じて考えが整理されるケースも多いでしょう。大切なのは、「何を不安に感じているか」「何を知りたいか」を自分の中で言語化しておくことです。漠然とした不安のままカウンセリングを受けるよりも、具体的な疑問を持って臨んだほうが、得られる情報の質は格段に上がるはずです


事前学習動画の視聴

多くの認証施設では、カウンセリング前に視聴する説明動画を用意しています。NIPTの基本的な仕組みや検査の限界、結果の意味などが事前に学べるため、カウンセリング当日はより深い対話に時間を割くことが可能になるでしょう。


聞きたいことをメモしておく

カウンセリング当日は緊張して質問を忘れてしまうことも珍しくありません。事前にスマートフォンのメモアプリなどに質問事項を書き出しておくと、聞き漏れを防げます。「陽性の場合の羊水検査費用はどうなるか」「結果はどのような形で通知されるか」「判定保留の場合はどう対応するか」など、具体的な質問を用意しておくとよいでしょう。


検査から結果開示までの流れ


遺伝カウンセリングを経てNIPTを受けることを決めた場合、実際の検査から結果を受け取るまでの流れも把握しておきましょう。


検査当日

カウンセリングと採血を同日に行える施設と、別日に設定する施設があります。同日対応の場合、カウンセリング後にそのまま採血へ進むことができるため、来院回数を減らせるメリットがあるでしょう。採血自体は通常の血液検査と同様で、数分程度で完了。母体や胎児に直接的なリスクはありません。


結果が出るまでの期間

採血から結果が出るまでにはおよそ10日前後かかるのが標準的です。結果は「陽性」「陰性」「判定保留」のいずれかで報告されます。


認証施設では結果を対面で説明するのが基本であり、医師から直接、結果の意味や今後の選択肢について解説を受けることが可能です。非認証施設では結果が郵送やメールで届くケースが多く、疑問があっても即座に相談できないリスクがある点は認識しておきましょう。


陽性だった場合のフォロー

NIPTで陽性と判定された場合、確定診断のために羊水検査を検討することになります。羊水検査は妊娠16〜17週頃に実施されるのが一般的で、費用は10万〜15万円程度です。認証施設の中には、NIPTで陽性となった場合の羊水検査費用を全額補助する施設もあるため、施設選びの段階で確認しておくことをおすすめします。


陽性判定後は、羊水検査の結果説明やその後の対応についても、遺伝カウンセリングを通じて継続的なサポートを受けることが望ましいでしょう。ここでの支援体制の厚みが、認証施設を選ぶ最大の理由の一つとなっています。


広尾レディースの遺伝カウンセリングについて

東京でNIPTの遺伝カウンセリングをお考えの方は、広尾レディース〜恵比寿本院〜にご相談ください。


当院は出生前検査認証制度等運営委員会(日本医学会)にNIPT実施医療機関(連携施設)として認定されており、基幹施設である東京慈恵会医科大学と連携して対応しております。


当院のNIPTにおける遺伝カウンセリングは、院長の宗田聡が担当。日本産科婦人科学会 産婦人科専門医と日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・指導医の資格を併せ持ち、長年にわたり出生前診断の診療・教育・研究に従事してきたスペシャリストです。米国ではNIPTの世界的第一人者であるビアンキ教授(米国NICHD所長)の研究室で基礎研究を学び、帰国後は母校筑波大学スタッフとして胎児診断・胎児治療の現場経験を積んでおり豊富な臨床経験を持っています。


日本医学会の施設認証ワーキンググループ構成員としてNIPT実施医療機関の審査にも携わっており、現在は日本産婦人科医会先天異常委員会委員長でもあります。


当院のNIPT費用は以下のとおりです。

  • NIPT検査代(陽性時の羊水検査料金込み):99,000円(108,900円税込)

  • 遺伝カウンセリング料:10,000円(11,000円税込)

  • 別途:初診料6,000円(6,600円税込)


NIPT陽性の場合、羊水検査の費用は全額補助いたします(検査以外の診察料などは除外)。羊水検査の実施から結果説明・カウンセリングまで、院長が一貫して対応する体制を整えており、基幹病院は院長が非常勤講師でもある東京慈恵会医科大学である点も、当院ならではの安心材料でしょう。


NIPTのみのご利用も歓迎しており、他院で妊婦健診を受けている方でもお気軽にお問い合わせください。年齢制限はなく、妊娠10週以降であればどなたでも受検可能。FMF認定資格を保有するスタッフによる質の高い超音波検査も実施しており、安心して検査に臨める環境を整えています。


24時間インターネット予約が可能で、土曜日の午前中にも対応しております。


 
 
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