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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

更年期障害の「ホットフラッシュ」を上手に乗り切る 職場でできる対策5選

  • 20 時間前
  • 読了時間: 3分

― 産業医が教える、更年期と仕事を両立するための工夫 ―


はじめに

仕事中、突然顔が熱くなったり、大量の汗が出たりする「ホットフラッシュ」は、更年期障害の代表的な症状の一つです。働く女性の中には、職場で人知れず悩んでいる方も少なくありません。


これらの症状は、気合や体調管理の問題で起こるものではありません。

適切な医療的対応と職場環境の工夫を組み合わせることで、多くの場合、症状の軽減が期待できます。


本記事では、産業医・産婦人科医の視点から、治療の選択肢と、キャリアを妨げにくい職場での具体的な対策を解説します。


ホットフラッシュはなぜ起こるのでしょうか

ホットフラッシュは、更年期に伴うエストロゲンの低下により、自律神経の調節が不安定になることで起こります。

日本女性医学学会のガイドラインでは「血管運動神経症状」と位置づけられており、約40~80%の女性が経験すると報告されています。


特に職場で問題となりやすいのは、会議や接客など人前で突然症状が出ることです。

「緊張しているのでは」「体調管理ができていないのでは」と誤解される不安がストレスとなり、症状が強まる悪循環に陥ることもあります。


治療の選択肢①:効果が期待できる「HRT(ホルモン補充療法)」

ホットフラッシュに対して、現在もっとも効果が示されている治療法の一つがHRTです。

国内外のガイドラインでも、中等度以上の症状に対する治療選択肢として位置づけられています。


研究では、HRTによりホットフラッシュの頻度や重症度が有意に低下したと報告されています。

早い方では、治療開始から数日~2週間程度で改善を実感する場合もあり、仕事の継続に役立つことがあります。


※治療にあたっては、乳がんや血栓症などのリスク評価が必要なため、医師による事前確認が重要です。


治療の選択肢②:漢方薬・非ホルモン療法

ホルモン療法に抵抗がある方や、HRTが使えない場合には、次のような方法があります。


  • 漢方薬:

    加味逍遙散や桂枝茯苓丸などが、体質に合わせて処方されます。


  • 非ホルモン薬(SSRI・SNRIなど):

    ホットフラッシュの頻度が減少したという報告があり、不安感が強い場合に検討されることがあります。


  • サプリメント(エクオールなど):

    一定の改善報告はありますが、医薬品ほどの効果が確実とは言えず、補助的な位置づけになります。


職場で実践しやすい「5つの工夫」

医療的な治療とあわせて、次のような工夫が役立ちます。


  1. 脱ぎ着しやすい服装を心がける

    カーディガンやストールを用意し、体温変化にすぐ対応できるようにします。


  2. 卓上扇風機を活用する

    静音タイプの小型扇風機は、周囲を気にせず使いやすい道具です。


  3. 冷たい飲み物・冷却グッズを用意する

    首元を冷やしたり、冷たい飲み物をとったりすると、症状が和らぐことがあります。


  4. 離席しやすい雰囲気を作る

    事前に「体調が不安定なことがある」と伝えておくと、会議中でも離席しやすくなります。


  5. 産業医や上司に相談する

    「ホルモンバランスの変化による体調不良で通院中です」と伝える程度でも、理解が得られることが多いでしょう。

    産業医を通じて席替えなどの配慮が受けられる場合もあります。


結び:我慢しすぎず、専門家を頼りましょう

ホットフラッシュは、「年齢のせいだから仕方ない」と我慢する必要のある症状ではありません。

適切な治療と工夫によって、日常生活への影響を減らすことが可能です。


仕事や生活に支障を感じている場合は、受診を検討する一つの目安になります。

医療の力と職場での工夫を組み合わせながら、無理なくキャリアを続けていきましょう。

 
 
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