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婦人科検診:忙しい働く女性が優先すべき検査リスト

  • 執筆者の写真: レディース 広尾
    レディース 広尾
  • 2 日前
  • 読了時間: 4分

はじめに

仕事や家事に追われる日々の中で、自分の体の健康管理はつい後回しになりがちです。特に婦人科検診は「症状がないから大丈夫」と考えて受けない女性も多くいます。しかし、婦人科の病気には初期には自覚症状がほとんどないものも少なくありません。早期に発見できれば治療が容易になり、生活への影響も最小限に抑えられます。この記事では、働く女性に多い婦人科疾患や必須の検診、年齢ごとの推奨スケジュール、さらに限られた時間を有効に使う工夫について、最新のエビデンスを交えて解説します。


働く女性に多い婦人科疾患

婦人科疾患の中でも、子宮頸がんは特に20〜30代の若い世代に多いがんで、日本では毎年約1万人が診断されています。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発症し、早期発見でほとんどが治療可能です。


また、40代以降では子宮体がんが増加し、肥満や糖尿病など生活習慣病との関連が報告されています。さらに、卵巣がんは「沈黙の臓器」と呼ばれるほど早期発見が難しく、発見時には進行していることも少なくありません。そして乳がんは日本女性の9人に1人が生涯にかかるとされ、特に40〜50代にピークを迎えます。


必須検診の種類

子宮頸がん検診

20歳以上の女性に2年に1回受診することが厚生労働省から推奨されています。細胞診に加え、30歳以上ではHPV検査を併用することで精度が高まります。


子宮体がん検診

40歳以上で不正出血がある場合や、肥満・糖尿病といったリスク要因を持つ場合に受診が望まれます。


卵巣検診

有効性が確立された集団検診はまだありませんが、家族歴や遺伝子変異(BRCA1/2)を持つ女性には定期的な超音波検査や腫瘍マーカー測定が推奨されます。


乳がん検診

40歳以上で2年に1回のマンモグラフィが標準であり、若年層では乳腺が発達しているため超音波検査が有効なこともあります。


性感染症検査

性感染症の中ではクラミジア感染が不妊の原因となることがあり、症状がなくても定期的な検査が安心につながります。


年齢別の推奨スケジュール

年代別検診スケジュール

・20代:子宮頸がん検診を2年に1回。必要に応じて性感染症検査も

・30代:子宮頸がん検診に加えて、妊娠を希望する場合には不妊検査や卵巣チェック

・40代:子宮頸がん検診、乳がん検診が必須。不正出血があれば子宮体がんの検査

・50代以降:閉経後であっても子宮頸がん検診を継続、乳がん検診を2年に1回

こうしたスケジュールは厚生労働省や国立がん研究センターの指針に基づいており、早期発見により治療成績が大きく改善することが示されています。


時間を有効に使う工夫

忙しい女性にとって、時間の確保が検診の大きなハードルとなります。そのため、企業健診や人間ドックに婦人科検診をオプションとして組み込むことで、一度に複数の検査を効率よく受けられます。最近では、平日夜間や土日に対応するクリニックも増えており、仕事を休まずに受診することが可能になっています。

さらに、検診結果を電子データで管理できるアプリも普及しており、過去の記録との比較や次回受診のリマインドに役立ちます。こうした工夫を取り入れることで「忙しいから行けない」という壁を減らすことができます。


婦人科受診の目安

症状がなくても定期的に検診を受けることが最も大切です。特に20歳以上は子宮頸がん検診、40歳以上は乳がん検診を必ず受けることが推奨されます。また、不正出血、下腹部のしこり、急な体重減少などがあれば早急に婦人科を受診すべきサインです。


まとめ

婦人科検診は「病気を見つけるため」だけでなく「安心して生活するため」にも必要です。子宮頸がんや乳がんは早期に見つかれば治療が容易で、治癒率も高いことが知られています。忙しい女性ほど、自分の健康を後回しにせず、企業健診や人間ドックを上手に活用しながら婦人科検診を定期的に受けていただきたいと思います。検診の一歩が、未来の健康を守る大切な投資になります。

 
 
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