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子宮の教科書 第百六話

外見が変わるショックと長い経過という重圧


乳ガンが怖いのは2つの理由です。

1つは、おっぱいを切除するしかなくなってしまった場合、外見がかわるため、ショックが大きいことです。 比較にならないかもしれませんが、子宮ガンの場合、もちろん子どもがつくれる、つくれないという問題があり、つらいこともありますが、手術で子宮を取っても外見ではわかりません。

しかし、乳ガンは必ずわかります。

今はおっぱいの再建手術もありますが、見えるところに傷がある、おっぱいがない、ということに、心に大きな傷を負うでしょう。

ただし、最近では、早期の小さいうちに発見できれば、非常に小さな傷で、見た目もほとんどかわらないように乳ガン手術をすることが可能です。


もう1つの理由は、経過が長いことです。 ふつうのガンは「5年生存率」といわれています。つまり、5年間再発しなければ、ちょっと一安心。10年間再発しなければ、もうほとんど忘れてもいいでしょう。

ところが、乳ガンは、10年を超えても再発することがあります。

たとえば35歳で乳ガンが見つかり、5年たって、40歳になっても再発せずホッとしていたら、40歳半ばで再発することもあります。

そして、再発してからの進行が早いため、若くして亡くなられる方もたくさんいます。一見よくなったように思えても、常に再発の恐怖があるのがとても怖いですよね。


著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)

引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)


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