子宮の教科書 第五十九話
Q13 30代で更年期障害になるってホント?
A 多くは考えすぎ。30代で完全に生理がなくなる人はまれ! ただし、身体が悲鳴をあげているサインかもしれません。
更年期についての勘違いはとても多いので、少しお話ししましょう。
40代後半から始まる更年期では、「おい、女性ホルモン出ないぞ!何やってなんだ?」という作用が起きることで、身体にいろいろな症状が出てくることがあります。
この更年期の症状は、本当にさまざまです。インターネットや本でも「肩凝り」「イライラ」「やる気の低下」「頭痛」「目が疲れる」「汗が出る」などが挙げられています。
それを見て、ちょっと気分が落ち込んだり、あちこちが痛くなったりすると、 まだ更年期なんてほど遠い年齢であるにもかかわらず「もしかしたら更年期じゃないの⁉」と思う方がいらっしゃいます。 これが「プチ更年期障害の疑い」の始まりでしょう。
でも、よく考えてみてください。 これらの1つひとつの症状は、どの年代の方でも起こる症状ばかりです。 ですから、更年期に必ずある「顔のほてり」と「汗が突然出る」の症状があったうえで、卵巣機能が落ちる40代なのであれば、更年期症状を疑ってもいいでしょう。ちなみに20代の方や、とっくに閉経して7~8年以上もたっている60代以上の方に対しては、更年期症状とはいいません。
また、確かに30代後半で、ちょっと早めに卵巣機能が落ちてきて更年期障害が人より早く出るひともいます。また、30代で完全に生理がなくなるのは「早発閉経」という病気です。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)