子宮の教科書 第五十五話
Q12 生理痛?それともPMS?
A「生理前」と「生理時」、つらいのはどっち?
正確に症状を把握しましょう。
「PMS(月経前症候群:Premenstrual Syndrome)とは、「月経前緊張症」とも呼ばれていて、女性の約80%が経験したことのある、生理前の「イライラする」「気分が沈む」「身体の具合が悪くなる」などといった症状のことです。
みなさんも覚えがありますよね。
PMSは生理の2週間くらい前から起こり、生理が始まると急に雨雲が去って晴れわたり青空が広がるように具合がよくなります。
そして、また次の生理の2週間前になると同じように調子が悪くなり、生理がくるとよくなる…この繰り返しです。
さらに、この繰り返しが何ヵ月も続いたり、単なるイライラだったものがもっと優鬱になったり、衝動的に感情がたかぶったりとひどくなっていくこともあります。
こうした症状は、排卵が起きたあと、「黄体ホルモン」というホルモンがずっと出ていることによって起きる症状です。
排卵していなければ、PMSの症状は起きません。
もともと黄体ホルモンには、気分をブルーにしたり足にむくみを生じさせたりする作用があるのですが、個人差もあってふだん気にならない方もいます。
その一方で、ふだんから足のむくみが気になっている人や、気分が変わりやすく不安定な方もいます。そこに、仕事やプライベートで大きなストレスがかかると、より一層PMSのいろいろな症状を強くしてしまいます。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)