子宮の教科書 第五十話
ピルを飲んでも生理は止まりません!
ピルを飲んだら、毎月の生理の出血もなくなると思っている人がいます。
ピルを飲んだら排卵はなくなりますが、出血はあるということを、覚えておきましょう。
排卵後、女性ホルモンによって子宮内膜が厚くなりはがれ落ち、交換するのが、生理の現象だということは、先にお伝えしました。
ピルで外から女性ホルモンを摂取する場合、排卵は起きませんが、通常と同じように子宮内膜は厚くなります。
この厚くなった内膜は、ピルを飲むのをやめることによって、それが合図となって剥がれてくるのです。
たとえば、ピルを3週間飲んで、1週間飲むのをやめると、急に薬が切れます。それが合図になり、厚くなった内膜がパカッとはがれます。
つまり、わざと生理としての現象をおこしているのです。
生理が自然に来ているときと同じように、ピルでも似たようなことをさせるわけです。
ただし、ピルにより摂取するホルモンの量が少ないことから、内膜が通常と異なりあまり厚くならないため、全体にはがれる量も少なくなります。
結果として、出血する量や痛みが少なくなり、生理期間も短くなるわけです。
また、あえて毎月生理を起こす必要は、とくにありません。海外では、腕にピルのカプセルを埋め込んだり、「ニュバリング」というリング状のものを膣の奥にパコっとはめてしまい、そこからホルモンを3ヵ月ぐらい出し効かせることで、3ヵ月ほど生理を止めるケースもあるぐらいす。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)
Comentarios