子宮の教科書 第二十五話
更年期の症状を過大評価しない
よく勘違いされているのですが、更年期は病気ではありません。
新生児期、幼年期、思春期などと同じように、誰にでも訪れる時期の呼び名なのです。
たとえば、10代半ばに訪れる思春期について考えてみてください。
この時期には、身体に、思春期特有のいろいろなことが起こりますよね?
ニキビができたり、急に身体が大きくなったり、女性であれば胸が大きくなったり…。それは異常でも、病気でもありません。
女性ホルモンがなくなる更年期には、それに伴う症状が、人によって多かれ少なかれあります。
当然、その症状には個人差があり、程度問題です。
たとえば思春期はいくらニキビが出る時期とはいえ、ブワーッと顔面全体に出てしまって痛々しい人は、やはり治療が必要です。
あるいは、急に骨が発育することで、運動すると関節が痛くなることもありますが、激しい運動をしたときなどに問題があれば、これも治療が必要になります。
更年期も同じです。
顔がほてったり、イライラしたり、肩凝りがあったり、疲れやすかったりといった症状が、それまでと比べて多少なりとも出てきます。
けれどもそれが、仕事にかなりの支障が出る、寝込んでしまうなどということでなければ、心配はありません。
更年期には当たり前のことです。
そして、更年期とは、45~55歳の間だということを、間違えないようにしましょう。
ある内科の先生からの紹介状に「更年期障害による腰痛のためお願いします!」と書いてあったので、
患者さんを診たところ、なんとその方が72歳だった、なんてことも。
本人に念のために確認しても、十数年前に閉経しているとのこと。
いくらなんでも「更年期」ではありません。
むしろ、70歳代ということから「骨粗しょう症」など腰の骨の病気が心配な方でした。
お医者さんでも間違えることがあるんです!
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)
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