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子宮の教科書 第二十四話

前に「排卵が毎月ある必要はない」とお伝えしましたが、かといって、

きちんとされるはずの排卵がないものも問題です。


頭から指令のホルモンがちゃんと出ているのに、

卵自体に原因があって、卵巣から女性ホルモンがきちんと分泌されず、

スムーズに排卵されない場合もあるからです。


卵巣から出る女性ホルモンが少ないと、

頭から「もっと出して!」と指令のホルモンであるLHとFSHがどんどん出てきます。

反対に、卵巣から女性ホルモンが十分出ていると、これらの指令するホルモンの分泌は減ります。


会社でたとえてみましょう。

本社から支社に命令がいっているのに、

何かの理由で支社からはちっとも反応がない。

すると、

「おい、何やってるんだ!」と、さらに、本社は、どんどん命令を出してくるはずです。


これと同じように、

何かの理由で排卵しにくくなっていると、本社機能を持つ頭からどんどん指令のホルモンが出てきてしまい、バランスが崩れていくわけです。

実はこれは「フィードバック」と呼ばれる身体の「自己調節機能」なんです。


このフィードバックという症状は、更年期になるとよく現れます。

更年期とは、卵巣の機能が低下して女性ホルモンが少なくなることで、さまざまな症状が出てくる時期のことをいいます。


更年期に入り、だんだん卵巣の機能が悪くなれば、どんなに頭から卵巣に命令しても卵巣は機能しないので、ホルモンが出てきてくれません。

しつこく命令されてようやく「ああ、わかったわかった」と、まだ少しホルモンを作れるのが更年期です。


完全に閉経してしまうと、

いくら頭から「おい、何やってんだ」と怒鳴られても、ないものはないので、女性ホルモンを出すことができません。

まさに、在庫がないから「いくらいわれてももう出せるもんないんだよ」とお手上げになっている状態です。


著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)

引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)


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