子宮の教科書 第九十六話
Q24 子宮筋腫って手術しなければだめ?
A すぐに命にかかわるものではありません。 妊娠することもできます。ただし、症状によっては手術をした方がいいこともあります。
子宮筋腫は、もっとも多くの女性がかかる病気の1つです。
ガンのような悪性ではなく、良性なので、すぐに命にかかわるような悪い病気ではありません。しかし、状態によっては非常に重い貧血などになり、それこそ命にかかわるくらい、身体に悪影響を与えることもあります。
子宮筋腫とは、瘤(コブ)のような硬いできものをイメージしてください。若いときは新品できれいだった子宮が、年齢とともにだんだん劣化し、ボコボコになっていくこともあるのです……。 筋腫があるからといって、何も困ったことがなければ、ずっとそのままでもいいくらいです。すぐに手術しなければいけないというわけではありません。逆に、何も影響がなかったら放っておいてもいいでしょう。
また、子宮筋腫自体は一般的には不妊の原因にはなりません。 もちろん人によって筋腫のできる場所がそれぞれ違うので、不妊の原因となる可能性はありますが、むしろ筋腫をボコボコ持っていても、妊娠してしまうこともたくさんあります。
ただ、このように筋腫をもって妊娠すると「子宮筋腫合併妊娠」といって、赤ちゃんが育つにつれて子宮がおおきくなるときに、筋腫も引っ張られて大きくなっていくことがあります。するとお腹が痛くなったり、早産、流産になったりといろいろなことが起きるので、あまりよくありません。とくに今は高齢出産が増えてきていますから、そのような方も増えてきているのが現状です。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)