top of page

クリニック紹介

​お知らせ

コーヒーを飲む女性

子宮の教科書 第四十七話

  • 執筆者の写真: レディース 広尾
    レディース 広尾
  • 2023年7月28日
  • 読了時間: 2分

更新日:2023年8月1日

「漢方薬だったら安心!」の罠


よく勘違いされるのですが、漢方薬なら副作用もなくて安心!と思っている方も少なくないのですが、漢方薬にも副作用はあります。

ただ、一般的にいわれるように、確かに大きな副作用は少ないでしょう。


しかし、長期間ずっと飲み続けるような場合や、並行輸入などで個人的に外国から手に入れて使う場合には、注意が必要です。

そういった漢方薬は、副作用が強く出やすいものを使用していることがありますから、ちゃんと専門の方にアドバイスをうけるほうがいいでしょう。


漢方薬とは、ロキソニンなどの痛み止めや、風邪の時に飲む抗生剤のような一成分だけの薬ではなく、何種類もの生薬が少しずつ入っている総合薬のようなものです。

決して強い薬ではないけれど、いろいろなものに効果が出やすいのが特徴です。

ですから、生理痛のほかに、生理不順やむくみ、便秘、ちょっとイライラもする…などといったいくつかの症状があるとき、漢方薬を飲めば、すぐにそれらの症状が改善されることがあります。これが漢方薬のメリットです。


デメリットは、効き目に個人差が大きいことです。


よく「友だちがむくみが引いてよかったといっていたので、私にもあの漢方薬を出してください」などと来る方がいますが、必ずしも同じように効くとは限りません。

難しい話は漢方の専門書にゆずるとして、たとえば、すごくやせた方と、脂ぎった恰幅のいい女性とでは、同じ症状でも使う漢方薬が違います。

つまり、「あの人が効いたから私も」というのは、本来ありません。

ちなみに、僕のクリニックや日本の多くの病医院で出される漢方薬は、正確には「エキス剤」といって、製薬メーカーが成分を抽出してフリーズドライのようにして飲みやすくしたもので、保険もききます。

一方、漢方薬局や漢方専門外来で出される生薬は、自分で煎じて飲む必要があるので、少し手間暇がかかり、保険がきかず、自費で払わなければならないので高価です。

たとえるなら、インスタントコーヒーか、コーヒー豆を焙煎してドリップし、ゆっくり入れるコーヒー専門店か、の違いです。

それぞれのよさがあるので、個々の状況に応じて使い分ければいいのではないのでしょうか。


著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)

引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン) https://www.amazon.co.jp/dp/4799312499


最新記事

すべて表示
子宮の教科書 第百三十話

「対策」 毎年1回の検診を習慣に 人間ドックやレディースドックのような検診は自費になります。 毎年1回、必ず受けるようにしましょう。 毎月のことではなく、年に一度のことなので、ネイルサロンやヘアサロン、マッサージなどにくらべれば費用は決して高くないはずです。...

 
 
子宮の教科書 第百二十九話

健康の値段っていくらぐらい? 日本の財政は、いろいろ問題があり、破綻しかけてはいますが、日本の健康保険は、国民全員が貧富の差なく均等に医療が受けられるという、世界に類のない、すばらしい制度です。 アメリカでは、お金がない人は薬も使えないし、検査もできません。救急車を呼ぶこと...

 
 
子宮の教科書 第百二十八話

「結果が悪ければすぐに連絡が来るはず!」の勘違い ここで注意してほしいのが「結果が悪く急ぎを要する人には、ちゃんと連絡が早くくるはず」と思い込むこと。 市町村の無料検診を受けた患者さんは膨大ですし、今は個人情報の問題がありますから、すぐに連絡をするのは難しい状況です。...

 
 
bottom of page