子宮の教科書 第九十二話
自分で症状が判明しやすい「カンジダ」
カンジダにかかると、とにかくすごくかゆくなります。そして、白いカッテージチーズのようなボロボロした汚いおりものが出てくるので、かかったらすぐにわかるでしょう。
カンジダとは、「真菌」というカビの一種です。水虫などと同じ仲間です。水虫も同じですが、本来真菌は、非常に弱い生き物で、生存順位からいうと、ウィルスの下です。
その弱い真菌が増えてしまうぐらい身体の抵抗力が落ちているとき、あるいは身体はまあまあ元気でも、ニキビ治療、抜歯、風邪などで抗生剤を飲んだときに発病することがあります。
抗生剤は細菌(ばい菌)を殺すことはできますが、カビを殺すことはできません。
今まで強い細菌たちがうじゃうじゃいたのに、抗生剤を飲んで突然彼らが一掃されるため、「誰もいなくなった」と、このカビがワッと増えてくるんですね。
カンジダとはもともと膣の中に誰でも持っているもの(常在)ですから、完治したと思っていても、また再発することがあります。
そのように繰り返してしまうのは何か原因があるんじゃないか、彼が持っていてすぐうつすんじゃないか、などと悪いほうに考えるかもしれませんが、それは考えても仕方がありません。
身体からカンジダを一掃することはできないのです。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)