子宮の教科書 第八十一話
この妊娠が最後のチャンスかもしれない!
中絶するという選択には、それぞれの事情があります。
しかし、30歳を過ぎた女性が中絶を決断されるとき、「本当にいいの?」と確認したいのが本音です。
結婚しているしていないに限らず、「仕事をしているし、うれしいけれど今はとても産むのは無理」とおっしゃる方がいます。自分の中では、「まだもうちょっとあとに産みたい」という気持ちなのでしょう。
けれども、自分で「産むのは35歳過ぎがベスト」と決めていても、実際に35歳を過ぎてから妊娠するかどうかは、わかりません。
年齢が上がれば妊娠しにくくなるのは事実なのですから、もしかしたら今回の妊娠がラストチャンスになるかもしれません。
40代に入ったら、そう簡単には妊娠しませんし、仮に妊娠しても、高齢による赤ちゃんの染色体異常などが原因で、初期に流産するリスクが非常に高くなります。
年齢とともに妊娠しづらくなり、どんどん大変になるのは事実なのです。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)