子宮の教科書 第一話
~はじめに~
最近、診察室でのできごとでこんなことがありました。41歳の女性の患者さんとのやり取りです。
「先生、子どもがそろそろ欲しいと思っているのですが」(患者さん)
「そうですね。基礎体温をつけたり、これまでどこかの病院で相談されたりしていますか?」(私)
「いえ、特になにも。産婦人科に来たのも初めてで、検査は何もしたことがありません!」(患者さん)
「では、ガン検査をはじめ、いろいろ調べてみますか?」(私)
「いえ、もう少し落ち着いたころに産みたい……2~3年後あたりにって考えているので、今日はちょっと…」
えええー!そうなんですか?そんなのんびりしている場合なんですかー?
2,3年後って……?
と、もちろん、声には出しませんが、頭の中で大きく叫んでしまいました。
なぜ、もっとご自分の身体について、正しく理解しておかないのかな?
ととても残念な気持ちになったものです。
著者:宗田 聡医師(広尾レディース院長)
引用:31歳からの子宮の教科書(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)