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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

アスリートだけじゃない「無月経」

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

忙しすぎる10〜20代女性の体へのサイン

― ダイエットや過度なストレスが招く、将来の骨量低下と妊娠への影響 ―


はじめに

「最近、生理が来ていないけれど、忙しいからかな?」

そんなふうに、月経がみられない状態を軽く考えていませんか。


無月経はアスリート特有の問題と思われがちですが、実際には過度なダイエットや強いストレスにさらされている10〜20代の女性にも多くみられます。

月経が止まることは、単に「楽になった」ということではなく、将来の骨粗鬆症や妊娠に影響する可能性がある、体からの大切なサインです。


本記事では、産婦人科医・産業医の視点から、無月経がもたらすリスクと、早めに相談することの大切さについて解説します。


無月経とは?どこからが受診の目安でしょうか

医学的には、これまであった月経が3か月以上みられない状態を「続発性無月経」といいます。


「環境が変わったから」「少し痩せただけ」と様子を見てしまう方も少なくありませんが、

目安として、18歳以上で3か月以上月経がない場合には、医療機関での評価が勧められます。


月経は、女性の体の状態を映す大切なバロメーターです。

「忙しいから仕方ない」と、自分の体の変化を後回しにしてよいものではありません。


なぜ若い女性に無月経が増えているのでしょうか

現代の若年女性を取り巻く環境には、次のような要因が重なりやすくなっています。


  • 過度なエネルギー不足:極端な食事制限や欠食

  • 強い心理的ストレス:学業・仕事のプレッシャー、人間関係の悩み

  • 不規則な生活:睡眠不足や過度な運動負荷


これらが続くと、脳の視床下部が「今は妊娠に適した状態ではない」と判断し、卵巣へのホルモンの指令を弱めます。

これを「視床下部性無月経」と呼び、体が生命を守るために生殖機能を一時的に抑えている状態と考えられています。


女性ホルモンが減ることの影響

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、妊娠に関わるだけでなく、血管や脳、そして骨の健康を保つ働きもあります。


特に注意したいのが骨への影響です。

女性の骨量は20代前後にピークを迎えます。この時期にエストロゲンが不足すると、骨に十分なカルシウムを蓄えにくくなります。


研究報告では、無月経の期間が長くなるほど、同年代より骨量が低下しやすいことが示されています。

若い年代であっても骨量低下が指摘されることがあり、将来的な骨折リスクにつながる可能性があります。


将来の妊娠との関係

無月経の状態が続くと、卵巣の働きが低下したままになり、排卵が再開しにくくなることがあります。

その結果、妊娠を希望した際に治療が必要となる場合もあります。


一方で、早い段階で生活習慣の改善やホルモン療法(カウフマン療法など)を行うことで、月経周期が回復するケースも多くあります。

大切なのは、「様子を見る期間」を長くしすぎないことです。


医療機関で行う検査とケア

受診時には、問診や超音波(エコー)検査、血液検査によるホルモン測定などが行われます。

治療の基本は、まず生活の見直しです。


  • 適切な体重を保つ

  • 十分な睡眠をとる

  • ストレスを減らす工夫をする


こうした基本的なケアが、月経回復の土台になります。

必要に応じてホルモン補充療法が行われることもありますが、それは将来の体を守るための選択肢の一つです。


結び:体の声に耳を傾けて

月経が止まるほど、毎日を無理して過ごしていませんか。

体は「少し休んでください」というサインを出しているのかもしれません。


10年後、20年後の自分の健康のために、

もし3か月以上月経がみられない場合は、一度産婦人科で相談してみてください。


一人で抱え込まず、専門家と一緒に体の状態を確認することが、将来の自分への大切な投資になります。

 
 
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