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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

「排卵痛」か「虫垂炎(いわゆる盲腸)」か?

  • 3 時間前
  • 読了時間: 3分

右下腹部の痛みで迷ったときに確認したい3つのセルフチェック

― 婦人科に行く前に知っておきたい、消化器内科や外科が必要なケース ―


はじめに

右下腹部に痛みを感じたとき、それが「排卵痛」などの婦人科の症状なのか、それとも「虫垂炎(いわゆる盲腸)」などの消化器の病気なのか、判断に迷うことは少なくありません。


右下腹部には、卵巣や卵管だけでなく、虫垂や大腸など複数の臓器が集まっています。そのため、同じ場所の痛みでも原因が異なることがあります。


本記事では、産婦人科医の視点から、見分けるための考え方と、早めに受診したほうがよいサインについて分かりやすく解説します。


なぜ右下腹部の痛みは迷いやすいのでしょうか

20代から40代の女性にとって、下腹部痛は比較的よくみられる症状です。

腹痛を主訴に医療機関を受診する方は、毎年多くいらっしゃいます。


右下腹部には、婦人科系と消化器系の臓器が隣接しています。そのため、似たような痛みでも原因が異なる場合があり、自己判断が難しくなります。


チェック1:痛みのタイミングと「周期性」

まず確認したいのは、痛みが起こった時期です。


・排卵痛の場合:

 月経開始からおよそ14日前後の排卵期に起こることが多く、毎月ほぼ同じ時期に繰り返す場合は排卵痛の可能性が高くなります。


・虫垂炎の場合:

 月経周期とは関係なく、突然始まり、時間とともに徐々に強くなる傾向があります。


チェック2:痛みの「性質」と「続く時間」

痛みの感じ方や持続時間も重要なポイントです。


・排卵痛の特徴:

 チクチク、ズキズキとした痛みで、数時間から長くても1日程度で自然に軽快することが多いです。


・虫垂炎の特徴:

 痛みが持続し、歩いたり体を動かしたときに強く感じることがあります。


注意点:

24時間以上たっても痛みが改善しない、または強くなっている場合は注意が必要です。


チェック3:注意すべき「伴う症状」

以下の症状がある場合は、虫垂炎など消化器系の病気を考える必要があります。


  • 37.5℃以上の発熱

  • 痛みで夜眠れない、寝ても起きてしまう

  • 吐き気や嘔吐があり、食欲がない

  • お腹を押して離したときに、強く響くような痛み(反跳痛)がある


これらは腹腔内の炎症が疑われるサインです。

放置した場合、炎症が進行して腹膜炎を起こす可能性があるため、早めの診察が重要です。


医療機関での検査と治療の考え方

受診する診療科によって、検査の内容が異なります。


・婦人科:

 内診や経腟超音波(エコー)検査で、卵巣や子宮の状態を確認します。


・外科・消化器内科:

 虫垂炎が疑われる場合にはCT検査が行われることが多く、感度は90%前後と報告されており、診断に有用とされています。


排卵痛であれば鎮痛薬などで経過をみることが多い一方、虫垂炎では抗菌薬治療や、状況によっては手術が必要となる場合があります。


まとめ:受診を迷ったときは

右下腹部の強い痛みが24時間以上続く場合や、発熱・嘔吐を伴う場合は、我慢せず早めに医療機関を受診してください。

「何科を受診すればよいか分からない」と迷ったときは、まず婦人科を受診するのも一つの方法です。

婦人科的な緊急疾患(卵巣嚢腫の茎捻転や異所性妊娠など)を除外したうえで、必要に応じて外科や消化器内科へ紹介してもらうことで、スムーズな診療につながります。

 
 
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