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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

職場の女性健康管理:産業医がすすめる働き方と休養の工夫

  • 執筆者の写真: レディース 広尾
    レディース 広尾
  • 1月15日
  • 読了時間: 4分

はじめに

「最近、疲れが取れにくい」「生理痛で仕事がつらい」「更年期の不調があっても職場で言いづらい」——こうした悩みを抱える女性は少なくありません。厚生労働省の調査によると、20〜40代女性の約6割が月経に伴う症状で業務パフォーマンスに影響を感じており、更年期世代では約半数が症状によって仕事に支障を経験しています。

女性が安心して働き続けるためには、個人の工夫だけでなく、職場と社会が支える仕組みが必要です。その中心的な役割を担うのが「産業医」です。ここでは、職場での健康課題と産業医の役割、そして働き方や休養の工夫について具体的な提案を紹介します。


職場でよくみられる健康課題

女性特有の健康課題は、ライフステージごとに変化します。20〜30代では月経痛や月経前症候群(PMS)、不妊治療との両立が問題となり、40代後半からは更年期症状が加わります。


女性の健康課題の実態

・女性の約80%が月経に関連する不調を経験(日本産科婦人科学会)

・そのうち約30%は日常生活に強い支障を感じている

・閉経前後の女性では50〜60%が更年期症状を自覚

・交代勤務の女性は月経不順の頻度が通常勤務の女性に比べ約1.5倍高い

また、長時間労働や夜勤は体調不良を悪化させる要因です。働き方そのものが健康に影響を及ぼすことも示されています。


産業医の役割と支援

産業医は労働安全衛生法に基づき、従業員の健康を守る医師です。定期健康診断やストレスチェックの実施だけでなく、女性特有の健康課題に配慮した勤務調整や職場環境改善も重要な役割です。


具体的な支援例

・月経痛が強い従業員:在宅勤務や時差出勤の導入を提案

・妊娠中の従業員:母性健康管理指導事項連絡カードを活用して、通勤緩和や勤務時間の短縮を医師の意見に基づき実施

・更年期の不調に悩む従業員:産業医面談を通じて必要な休養や業務調整を具体的に上司に伝える


日常でできる工夫と提案

女性が自分の健康を守るためには、生活習慣や職場環境の工夫も大切です。


勤務中の工夫

・1時間に5分程度のストレッチや深呼吸を取り入れる

・腰痛予防には椅子や机の高さを調整し、フットレストや腰クッションを利用する

・リラックススペースを活用し、昼休みに軽い運動やマインドフルネスを取り入れる


栄養と睡眠

・鉄分・カルシウム・ビタミンDを意識し、不足がちな栄養素を補う

・就寝・起床のリズムを一定に保つ(日本人女性の約4割が睡眠不足と報告されています)


運動習慣

厚生労働省は週150分以上の中強度運動を推奨しており、ウォーキングやヨガはストレス緩和にも効果があります。


制度と職場の取り組み

制度の活用も大切です。以下のような制度や取り組みが有効です。


法的制度の活用

・月経休暇:労働基準法に規定されており、症状が強い場合に休める権利があります

・短時間勤務・テレワーク制度:育児・介護休業法に基づく制度は、妊娠・出産期や更年期の女性にも有効です


企業の取り組み例

・上司や同僚が月経や更年期の不調を正しく理解するための社内研修

・女性従業員向けの匿名相談窓口やEAP(従業員支援プログラム)の整備

・在宅勤務やフレックスタイムの柔軟な導入

・更年期サポート研修や女性の健康相談窓口の設置

これらは女性が安心して働ける環境をつくるだけでなく、企業にとっても離職率低下や生産性向上につながります。


婦人科・産業医への相談目安

相談を検討すべき状況

・月経痛で業務が続けられない

・更年期症状で集中力が落ちている

・不妊治療と仕事の両立が難しい

・体調不良が長期間続いている

生活や仕事に影響が出ていると感じたときは、産業医や婦人科に相談してください。産業医は職場でできる配慮を提案し、婦人科は医学的な検査や治療を行うことができます。両者をうまく活用することで、仕事と健康の両立が可能になります。


まとめ

・女性の健康は「個人の努力」だけでなく、職場全体で支えるものです

・月経痛、妊娠・出産、更年期といったライフステージに応じた課題は、産業医や制度をうまく活用することで解決に近づきます

・ストレッチや栄養補給、睡眠リズムの改善など日常でできる工夫を取り入れつつ、必要なときには職場の制度や医療機関を利用してください

・企業にとっても女性の健康支援は「福利厚生」ではなく「経営戦略」の一部です

自分の体を守りながら、安心して働ける職場環境を一緒につくっていきましょう。



 
 
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