不妊と体重:痩せすぎ・太りすぎが妊娠に与える影響
- レディース 広尾
- 3 日前
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はじめに
「妊活をしているけれど、なかなか妊娠しない…」そんなとき、多くの方が思い浮かべるのは年齢やホルモンバランスの問題かもしれません。しかし、意外と見落とされがちなのが「体重(BMI)」と妊娠の関係です。
厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、日本の女性の約10%がBMI18.5未満の「痩せ」に分類され、一方で20〜40代女性の約20%が「肥満(BMI25以上)」とされています。つまり、日本では痩せすぎと太りすぎの両方が存在し、それぞれが不妊の要因となる可能性があるのです。
BMIと妊娠のしやすさ
BMI(Body Mass Index)は「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で算出されます。18.5〜24.9を「普通体重」とし、18.5未満は低体重(痩せ)、25以上は肥満と定義されます。
日本産科婦人科学会の資料では、BMIが18未満や25以上の女性は排卵障害による不妊のリスクが高いとされています。海外の大規模研究では、肥満女性は正常体重の女性に比べて妊娠までにかかる時間が約1.5倍長くなると報告されています。また、痩せすぎの女性も排卵障害のリスクが約2倍に増えるとされ、いずれも妊娠成立に不利に働くことがわかっています。
痩せすぎのリスク
痩せすぎはエストロゲン分泌の低下を引き起こし、排卵が止まることがあります。BMI18未満の女性では無月経の発生率が2〜3倍に増えると報告されており、妊娠の成立が難しくなります。
さらに、痩せすぎで妊娠した場合、低出生体重児のリスクが高まります。国立成育医療研究センターのデータでは、BMI18未満の妊婦は正常体重の妊婦に比べ、低出生体重児を出産する割合が約1.5倍高いとされています。また、流産や早産のリスクも増えるため、痩せすぎは妊娠前から注意が必要です。
肥満の影響
肥満はインスリン抵抗性を引き起こし、排卵障害やホルモンバランスの乱れをもたらします。代表的なのが多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で、日本人女性の約5〜10%にみられ、不妊症全体の約30%を占めるといわれています。PCOSは肥満と関連が深く、排卵が起こりにくくなるため妊娠に大きな影響を与えます。
肥満妊娠のリスク
・妊娠糖尿病のリスクが約2〜3倍
・妊娠高血圧症候群は約2倍
・帝王切開率も1.5倍以上に増加
・胎児も巨大児になりやすく、将来的に肥満や糖尿病を発症するリスクが高まる
婦人科受診の目安
妊活を始めてもなかなか妊娠に至らない場合や、生理不順が続くときは、まず婦人科でホルモンや卵巣機能の検査を受けることが大切です。痩せすぎや肥満が背景にある場合、体重の改善だけで排卵が再開し、妊娠に至るケースもあります。
特に肥満の方では、体重を5〜10%減らすだけでも排卵機能が改善することがあり、医師や管理栄養士のサポートを受けながら取り組むことが望まれます。
まとめ
・不妊と体重は密接に関係しており、痩せすぎ(BMI18未満)と肥満(BMI25以上)のどちらも妊娠の成立を妨げる要因となります
・痩せすぎでは排卵障害や低出生体重児のリスク、肥満ではPCOSや妊娠合併症のリスクが高まります
・適切な体重管理(BMI18.5〜24.9の範囲)は妊娠率の向上と母子の健康の両方に直結します
「妊娠できるかどうか」は年齢や体質だけでなく、日常の体重管理によっても左右されることを理解し、不安があるときは早めに婦人科に相談してみてください。


