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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

PMS vs PMDD 自己判断せずに受診すべきポイント

  • 執筆者の写真: レディース 広尾
    レディース 広尾
  • 10月12日
  • 読了時間: 2分

はじめに

PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前不快気分障害)はしばしば混同されがちですが、症状の重症度や期間が異なります。PMSは女性の約70%が経験する一方、PMDDは5~8%の女性が罹患し、生活に著しい支障をきたすことがあります。自己判断せずに適切な診療科を受診するためのポイントを解説します。


PMSとPMDDの違い

PMSは月経前1週間程度に不快症状が現れ、月経開始と共に改善するのが特徴で、症状は日常生活に軽度の影響を与えます。一方、PMDDは抑うつ感、激しい怒り、自己否定感など精神症状が中心で、日常生活に支障を及ぼすレベルで、DSM-5では症状が5つ以上ある場合に診断されます²。


受診のタイミングと診断基準

自己判断で市販薬を使用し続ける前に、以下のサインがある場合は婦人科受診を検討してください。:

- 月経前の2周期以上で症状が周期的に再現

- 症状が週の約25%を超える期間持続

- 学業・仕事・対人関係に支障を来す


診断のための検査と評価

診断には、月経日誌や症状評価スケール(DRSP)を2ヵ月間記録し、DSM-5基準に照らします。血液検査でTSHや鉄、ビタミンDをチェックし、身体的要因の除外を行います。また、アルコールや薬物の使用状況も確認し、鑑別診断を行います。


治療の選択肢とセルフケア

PMSには低用量ピル、SSRI(エスシタロプラム)などのホルモン療法・薬物療法が有効です。セルフケアでは、カフェインの制限や週3回の有酸素運動、マグネシウム・ビタミンB6のサプリメント併用が症状を20%軽減する報告があります。


まとめ&受診のすすめ

PMSと思って放置するとPMDDの可能性を見逃すことがあります。PMDDあるいは症状が重いと感じたら、自己判断せず精神科へ相談し、適切な治療を受けることがQOL改善の第一歩です。

 
 
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