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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

専門医が語る女性のキャリアとメンタル不調

  • 執筆者の写真: レディース 広尾
    レディース 広尾
  • 10月3日
  • 読了時間: 3分

はじめに

現代社会では、キャリアを積む女性が増える一方で、仕事と家庭の両立によるストレスは深刻化しています。実際に、働く女性の約35%が職場で何らかのメンタルヘルス問題を抱えていると報告されており、PMSや更年期症状の影響と相まって、抑うつやバーンアウトを招くケースが増えています。産婦人科医と産業医の立場から、メンタル不調の原因、鑑別、そして具体的な対策について詳しくお伝えします。


キャリア女性に多い症状と背景

キャリア女性の疲弊は、長時間労働や業務過多だけでなく、職場での役割葛藤が要因となることが多いです。20〜40代の女性ではPMSに伴う集中力低下が20%増加し、これがプロジェクトの締切や会議でのパフォーマンス低下につながることもあります。また、更年期に入る45歳前後ではホットフラッシュや不眠が重なるため、バーンアウト感が顕著になる方もいます。


鑑別のポイント

PMSと抑うつ状態は症状に共通点があるものの、PMSは月経周期の排卵後から月経開始までの特定時期に症状が現れ、月経開始と共に緩和する特徴があります。一方、抑うつやバーンアウトは周期性がなく、持続的な気分の落ち込みや無気力感が2週間以上続く場合に診断が検討されます。この違いを理解することで、適切な診療科受診につなげることが可能です。


具体的セルフケアと職場環境調整

メンタル不調を緩和するためには、まず週に1回30分程度の有酸素運動を取り入れることが重要です。運動はセロトニン分泌を促進し、気分を安定させる効果があります。また、日々の業務の中で10分程度のマインドフルネス瞑想を行えば、ストレスホルモンであるコルチゾールを20%低減させることができます。さらに、上司や同僚とオープンにコミュニケーションを取り、自身の体調に応じた業務調整や休憩を申請することで、無理なく働く環境を整えましょう。


受診のタイミングと選択肢

2週間以上続く抑うつ気分や、自傷念慮が生じる場合には精神科の受診が必要です。PMSや更年期症状が主体の場合は婦人科でのホルモン検査(FSH, LH, エストロゲン値)を行い、適切なホルモン補充療法や低用量ピルの導入を検討します。また、バーンアウトや抑うつには認知行動療法(CBT)やSSRIなどの抗うつ薬が有効であり、産業医との連携で職場復帰プランを立てることが推奨されます。


まとめ&次のアクション

キャリア女性のメンタル不調は、放置すると慢性化や体調悪化につながります。まずは自己チェックで周期性や持続性を確認し、必要に応じて婦人科・精神科・産業医と連携して総合的なケアプランを立てましょう。働きながら心身の健康を守るための第一歩です。

 
 
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