更年期のホットフラッシュはなぜ起こる?原因解説
- レディース 広尾
- 7月20日
- 読了時間: 2分
更年期に悩まされる代表的な症状の一つが「ホットフラッシュ」。突然のほてりや発汗は、日常生活や仕事のパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。ここでは、ホットフラッシュが起こるメカニズムとその背景をわかりやすく解説します。
ホットフラッシュの定義と症状
ホットフラッシュとは、顔面や上半身に急激な熱感を覚え、同時に大量の発汗を伴う現象です。持続時間は数秒~数分程度ですが、繰り返し起こることで日常動作が中断されることもあります。クーラーの効いている部屋で突然汗をかいたり、深夜寝ていて突然の汗で着ているものがぐっしょり濡れたり、通常の汗のかき方とは違うことが多いです。
ホルモン変動が引き金
更年期は卵巣機能の低下により、エストロゲン分泌が急激に減少します。エストロゲンは体温調節中枢(視床下部)の働きを安定化させる役割があるため、その低下が体温調節機構の誤作動を招くと考えられています。
自律神経の乱れ
エストロゲン低下に伴い、副交感神経と交感神経のバランスが崩れやすくなります。交感神経優位となると血管が拡張し、発汗やほてりが発生します。
影響を受けやすい要因
以下の要因が重なると、ホットフラッシュの頻度や強度が増すことがあります。
- ストレスや不安
- カフェイン・アルコール摂取
- 高温多湿の環境
- 喫煙習慣
セルフケアと受診の目安
セルフケアとしては、軽い運動や深呼吸、涼感素材の服装選びが有効です。ただし、ホットフラッシュの頻度が週に多い場合や生活に著しい支障が出る場合は、専門医によるホルモン検査と治療(ホルモン補充療法など)を検討してください。
まとめ
ホットフラッシュは更年期の代表症状ですが、その背景にはホルモン低下と自律神経の乱れがあります。原因を理解し、セルフケアで改善が見られない場合は専門医に相談しましょう。適切な治療により、QOL(生活の質)を大きく向上させることが可能です。
参考文献
1. North American Menopause Society. The Menopause Practice: A Clinician's Guide, 2017.
2. Freeman EW, Sherif K. Prevalence of hot flushes and night sweats around the world: a systematic review. Climacteric. 2007;10(3):197-214.


