PMS対策まとめ|食事・運動・サプリ&医療アプローチ完全解説
- レディース 広尾
- 7月7日
- 読了時間: 4分
月経の前になると、心や体にいろいろな不調が現れる……そんな経験はありませんか?PMS(月経前症候群)は、働く女性の約7割が感じると言われる、月経前の心身の乱れです。本記事では、PMSの基礎知識から具体的な対策まで、わかりやすく解説します。
【PMSの基本知識】
PMSとPMDDの違い
PMSには軽い不快感を伴う「PMS」と、日常生活や仕事に支障を来すほど重い「PMDD(月経前不快気分障害)」があります。後者は米国精神医学会の診断基準にも載るほど症状が深刻で、突然の涙や激しいイライラを繰り返すのが特徴で精神疾患の一つです。
月経周期との関係
女性の体は「卵胞期→排卵→黄体期→月経期」のサイクルを約28日で回ります。PMSは排卵後の「黄体期」にホルモンバランスが大きく変動することが原因で起こり、月経が始まると自然に症状が和らぐのが一般的です。月経周期のほとんどは症状がないのに、なぜか月経1週間前だけ突然具合が悪くなるような状態のものです。
【PMSの主な症状】
身体的なサイン
むくみ・体重増加:プロゲステロンの影響で水分が溜まりやすくなります。
下腹部痛・乳房の張り:子宮や乳腺が張って不快感を覚えます。
頭痛・筋肉痛:ホルモンの変動によって血管が収縮し、頭痛を引き起こすことも。
心や行動の変化
イライラ・怒りっぽさ:普段は気にならない小さなことが許せなくなる。
不安感・落ち込み:理由がはっきりしない漠然とした不安や悲しさに襲われる。
集中力低下・過食:仕事に手がつかなくなったり、ついスイーツに手が伸びたり。
【PMSの原因メカニズム】
ホルモンバランスの乱れ
黄体期にはエストロゲンとプロゲステロンが急激に入れ替わります。この変動が脳内の神経伝達にも影響を及ぼし、情緒不安定やむくみを引き起こします。
栄養不足・生活習慣
鉄分やマグネシウム、ビタミンB群が不足すると、神経伝達がスムーズに行かず、PMS症状が強まります。働く女性は食事が偏りがちなので、意識してこれらの栄養素を補いましょう。
ストレスと自律神経
長時間労働や職場の人間関係によるストレスは、自律神経の乱れを招きます。結果としてコルチゾール(ストレスホルモン)が過剰分泌され、PMS期のイライラや不眠が悪化します。
【診断と受診のポイント】
産婦人科での評価
月経日誌の確認(症状出現時期と周期を記録)
血液検査でホルモン値を測定
超音波検査で子宮・卵巣の状態をチェック
他の診療科が適するケース
甲状腺異常:不安感やむくみが強い場合 → 内分泌内科
鉄欠乏性貧血:だるさ・めまいが主症状の場合 → 血液内科
長引く抑うつ・不安:情緒面(メンタル)が中心の場合 → 心療内科・精神科
【PMSに似た主な鑑別疾患】
甲状腺機能異常:体重変化や情緒不安はPMSと重なるため、TSHとFT4の検査で見分けます。
鉄欠乏性貧血:疲労感や動悸はPMSの身体症状と紛らわしい。ヘモグロビンやフェリチンの数値確認が必須です。
うつ病や更年期障害:仕事やプライベートでのストレスがあったり、40代以降でホルモンバランスが変化すると、更年期の症状とPMSが重なることもあります。
【自宅でできるPMS対策】
食事・サプリメント
マグネシウム…ナッツ類や緑黄色野菜で補う
ビタミンB6…魚や鶏肉、バナナに豊富
カルシウム…乳製品や小魚で摂取
運動・ストレッチ
週2~3回、30分程度のウォーキングや軽いジョギングを。職場では椅子に座ったままできる肩回しや首のストレッチを取り入れましょう。
睡眠とリラクゼーション
就寝前はスマホを控え、ぬるめのお風呂でリラックス。深呼吸や簡単な瞑想で、副交感神経を優位に保ちます。
【医療的アプローチ】
低用量ピル・ホルモン療法
排卵を抑えてホルモン変動を緩やかにし、PMS症状を和らげます。メリット・デメリットを医師とよく相談しましょう。
SSRI(抗うつ薬)
セロトニンの再取り込みを阻害し、イライラや不安を軽減。月経前だけ服用する“周期投与”も可能です。
漢方治療・補完医療
加味逍遙散や抑肝散など、体質や症状に合わせて処方。自然由来の成分で穏やかに自律神経を整えます。
【職場でのセルフマネジメント】
コミュニケーション
上司や信頼できる同僚に「月経前は体調が変わる」と伝え、必要な業務調整や休憩を遠慮なく相談しましょう。
制度の活用
フレックス勤務やテレワークで柔軟に働くことで、通院や休息の時間を確保できます。就業規則を事前に確認し、具体的な提案を。
EAP・産業保健
社内の従業員支援プログラム(EAP)や産業保健スタッフを利用して、専門家のカウンセリングやストレスチェックを受けるのも有効です。
まとめ:働く女性がPMSと上手に付き合うために
PMSは「仕方ない」と放置せず、正しい知識と対策を組み合わせることでコントロール可能です。まずは自分の症状を記録し、必要に応じて産婦人科や他科専門医に相談。生活習慣の見直しと医療的アプローチを両輪として取り入れ、心身ともに健やかな毎日を取り戻しましょう。


