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宗田聡のやさしい産婦人科ブログ

乳がん検診の重要性:自己検診から精密検査まで

  • 執筆者の写真: レディース 広尾
    レディース 広尾
  • 11月13日
  • 読了時間: 2分

乳がんの現状

乳がんは日本人女性で最も多いがんであり、年間約9万5,000人が新たに診断されています。そのうち約1万5,000人が命を落としています(国立がん研究センター がん統計2021)。発症のピークは40~50代ですが、30代から増加が始まるため、若い世代からの意識と検診が大切です。


乳がんのリスク要因

  • 出産経験がない、初産が30歳以降

  • 授乳経験がない

  • 飲酒習慣(1日1杯未満でもリスク上昇)

  • 肥満(閉経後は特にリスク増加)

  • 家族歴(母や姉妹に乳がんがある場合、発症リスクは約2倍)


日本人女性の乳がんの特徴

  • 欧米より若年での発症が多い

  • 乳腺密度が高い女性が多い

  • ホルモン受容体陽性のタイプが多い


早期発見のための検診

厚生労働省は40歳以上の女性に2年に1回のマンモグラフィ検診を推奨しています。

  • マンモグラフィ:X線で乳房を撮影。死亡率を20~30%減少させる効果が確認されている

  • 超音波検査(エコー):特に乳腺が発達している若年女性に有効。30代のスクリーニングにも活用

  • MRI:ハイリスク群(遺伝性乳がんなど)に対して実施

しかし、日本の乳がん検診受診率は約40%にとどまり、欧米(70%以上)と比べて低いのが課題です。


セルフチェックの方法

月に1回、月経終了後1週間以内に行うのが理想です:

  • 視診:鏡の前で乳房の形や皮膚の変化を確認

  • 触診:指の腹で乳房全体をまんべんなく触れる

  • 範囲:わきの下までチェックする


早期受診が必要な症状

  • しこりを触れた(約80%の患者で最初に気づく症状)

  • 乳頭から血の混じった分泌がある

  • 皮膚の陥没やただれを認める

  • わきの下のしこり

  • 家族歴があり心配


予防と生活習慣

  • 運動:週150分の有酸素運動で発症リスクが約20%減少(米国がん協会)

  • 食事:抗酸化作用のある野菜や果物を積極的に摂取

  • 飲酒:少量でもリスク増加のため、禁酒・節酒が望ましい

  • 体重管理:BMI25以上の肥満女性は閉経後乳がんリスクが約1.5倍に上昇


治療と予後

早期に発見できれば5年生存率は95%以上と良好です。治療法には手術、放射線治療、ホルモン療法、分子標的薬などがあり、がんのタイプや進行度に応じて組み合わせて行われます。

 
 
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