不妊症の原因と治療法:妊娠への第一歩
- レディース 広尾
- 11月7日
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不妊症の現状
日本では夫婦のおよそ6組に1組が不妊の悩みを抱えていると報告されています(厚生労働省「不妊治療と仕事の両立支援」)。不妊の原因は女性側・男性側にほぼ同程度に分かれますが、女性側の要因として代表的なのが子宮内膜症と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)です。
主な不妊の原因
子宮内膜症
頻度:生殖年齢女性の約10%、不妊女性の30~50%に合併
メカニズム:子宮内膜が子宮の外に発生し、慢性的な炎症を引き起こす
症状:強い月経痛、性交痛、慢性的な下腹部痛
妊娠への影響:卵管の癒着や卵巣の機能低下により妊娠しにくくなる
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
頻度:生殖年齢女性の約5~10%
メカニズム:卵巣内に多数の小さな卵胞が見られ、排卵がうまく起こらない
症状:月経不順、排卵障害、多毛、にきび
治療効果:排卵誘発剤を用いると妊娠率は約30~40%まで改善
その他の不妊原因
卵管因子(卵管の閉塞や癒着)
排卵因子(排卵障害)
男性因子(精子の異常)
原因不明不妊
年齢因子(加齢による卵子の質の低下)
治療法
タイミング法:排卵日を予測して性交のタイミングを指導
排卵誘発:薬物を用いて排卵を促す
人工授精(IUI):精子を子宮内に直接注入
体外受精(IVF):卵子と精子を体外で受精させて胚を子宮に戻す
顕微授精(ICSI):精子を直接卵子に注入する技術
生活習慣の改善
適正体重の維持:BMI22前後が理想(PCOSでは体重を5~10%減らすだけで排卵が回復する例も)
栄養バランス:抗炎症作用のある食品(魚のDHA/EPA、野菜、果物)を意識
ストレス管理:十分な睡眠とストレス軽減
禁煙・節酒:喫煙は卵巣機能を低下させ、飲酒は排卵障害のリスクを高める
早期受診の目安
1年以上妊娠を希望してもかなわない場合(35歳以上は半年)
月経不順が続いている場合
強い生理痛や性交痛がある場合
不妊の原因は一つではありませんが、早期対応が妊娠率に大きく影響します。自己判断せず、早めに婦人科で検査・治療を受けることが重要です。


