会社検診で発覚!働く女性の中性脂肪・コレステロール改善法
- レディース 広尾
- 1 日前
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更年期に入ると卵巣機能の低下に伴い、女性ホルモンの一種であるエストロゲン分泌が徐々に減少します。エストロゲンは血中脂質をコントロールする働きがあるため、このホルモンが不足するとLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が上がりやすくなるのです。さらに、筋肉量の減少によって基礎代謝も落ちるため、同じ食生活でも脂質の燃焼効率が悪くなり、健診で「高脂血症」と指摘されるケースが増えます。
会社の定期健診では、採血によって中性脂肪やLDL・HDLコレステロールを測定します。若い頃は基準値内だったものが、更年期以降はストレスや運動不足、夜遅い食事などの影響で一気に上昇し、健診直前まで正常値でも「ギリギリ範囲内→今回アウト」になる女性が少なくありません。年に一度のチャンスを有効活用し、高めの数値を次の対策に結びつける意識が大切です。
検診結果を読む際のポイントは次の通りです:
中性脂肪(TG):150mg/dL未満が理想。150~299mg/dLで軽度上昇、300mg/dL以上で高度上昇と判定されます。
LDL-コレステロール:120mg/dL未満が基準。140mg/dL以上になると、医師による治療検討レベルです。
HDL-コレステロール:40mg/dL以上が望ましく、更年期で下がりやすい項目なので要チェック。
もし自分で見方がわからなければ、産業医面談や保健師への相談を活用して、結果の読み解き方を教わりましょう。
更年期女性が気をつけるべき「高脂血症」の健康リスク
中性脂肪やLDLコレステロールが高い状態が続くと、血管内に脂質が沈着してプラークを形成し、いわゆる「動脈硬化」が進みます。このプラークが血管を狭めたり、破れて血栓を生むことで、狭心症や心筋梗塞、脳卒中といった重篤な心血管イベントを引き起こすリスクが高まります。更年期におけるホルモンバランスの変化は、こうしたプロセスをさらに加速させるため、早期に数値管理を始めることが重要です。
また、高脂血症はメタボリックシンドロームの構成要素の一つであり、内臓脂肪蓄積によるインスリン抵抗性を促進して血糖コントロールを乱し、高血圧や脂質異常を併発しやすくします。こうした複合リスクを放置すると、2型糖尿病や心血管疾患の発症率が飛躍的に上がってしまいます。
まずはここから!高脂血症改善のための生活習慣予防法
日々の食事、運動、ストレスケア、睡眠の質を見直すことで、高脂血症は大きく改善できます。まず食事面では、EPA・DHAが豊富な青魚、たんぱく質源としての大豆製品、食物繊維を多く含む野菜や全粒穀物を積極的に取り入れましょう。特に以下のような1週間の献立例がおすすめです:
朝食:オートミールに無糖ヨーグルトとベリー、ナッツをトッピング
昼食:サバの塩焼き定食(ひじき煮・ほうれん草のおひたし・玄米)
夕食:豆腐と色とりどりの野菜を蒸し煮にし、雑穀ごはんを添える
栄養比率は脂質20%未満、たんぱく質20〜25%、炭水化物50〜55%を目安に。トランス脂肪酸や加工油脂は避け、オメガ‐9系オイル(オリーブオイルなど)を適度に使いましょう。
運動はオフィスでも取り組める簡単なストレッチやエクササイズから始めます。たとえば椅子に座ったまま骨盤底筋を締めたり緩めたりするトレーニングを10回行い、その場足踏みを1分×3セット、背伸び&肩甲骨寄せストレッチを20秒×3回繰り返すだけでも効果的です。通勤時間を利用して階段を使ったり、バス停一つ手前で降りる「ながら運動」を日常に取り入れるのもおすすめです。
ストレスケアと睡眠の質向上も忘れてはいけません。就寝30分前にはスマホを見ず、腹式深呼吸を3分×2セット行うことでリラックス効果が期待できます。寝室は室温20℃前後、遮光カーテンやアイマスク・耳栓を使い、環境を整えましょう。
最後に、定期検診を有効に使うために、自宅で週1回血圧・体組成を測定し、記録を残します。たとえば「次回健診までに中性脂肪を10%減」「LDLを10mg/dL下げる」といった具体的な目標を立て、産業医面談やオンライン診療でフィードバックを受けると、改善のモチベーションを保ちやすくなります。
まとめ:更年期女性の健康管理を会社の検診からスタートしよう
更年期はホルモンバランスの変化により、体のあらゆる機能が影響を受ける重要なライフステージです。会社の定期健診で指摘される中性脂肪やコレステロールの異常は、将来の大きな病気リスクを軽減する第一歩と言えます。食事・運動・睡眠・ストレスケアなどの生活習慣を見直しながら、必要に応じて専門医を受診し、定期的にフォローアップする習慣を身につけましょう。早めの対策が、健康でアクティブな更年期ライフを支えます。
産婦人科・内科のどちらを受診すべき?
更年期症状や脂質異常を改善するためには、産婦人科だけでなく内科・循環器科の受診をうまく使い分けることが大切です。
産婦人科で相談すべき症状・疾患
ホットフラッシュや異常な発汗
月経不順・不正出血、閉経前後の出血パターン変化
骨密度低下による骨粗鬆症リスク
膣萎縮や性交痛など、更年期特有の婦人科症状
内科・循環器科を選ぶべきケース
持続する高血圧や胸痛・息切れなど狭心症症状がある場合
心電図で異常(期外収縮など)が確認されたとき
2型糖尿病や高尿酸血症を伴う脂質異常が主体のとき
婦人科受診が必要と思われる3つのポイント
1. 月経パターンの著しい変化:頻度・量・期間の急激変動や不正出血
2. 更年期症状の生活障害化:ホットフラッシュ、寝汗、気分変調などが日常生活に支障
3. 骨粗鬆症検査異常:骨密度検査で骨量減少が指摘
適切な診療科を受診し、必要な検査や治療を受けることで、更年期期の健康リスクを大きく減らせます。いずれの場合も、まずはかかりつけの産婦人科や産業医に相談し、紹介状を活用して専門医を受診するのがスムーズです。